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ガイアフォース エピソード1

作者: ロック

地球東京都T区、この地区に一つの専門商社があった。

美人揃いのこの専門商社は、天国に等しい環境であった。

特に経理部は、美女揃いでシースルーの美女かえちゃん、イケメンアイドルグループが好きなショートボブの美女ちひろちゃん、そして緑髪ツインテールの美女瀧川ひなたと美人が揃っていた。


何をやってもダメダメなタロ吉は銀河探査員を「女がいない」という理由で退職し、美女が勢揃いのこの専門商社に入社して業務を行うのだった。


しかし、経理として入社したタロ吉はよく数字を間違えるのだった。

そして、入社3ヶ月後、タロ吉は人事担当者に突然「解雇」を言い渡された。


落胆するタロ吉…だが、ここから物語は始まる!


ここは、専門商社のリラックススペース

解雇通知を泣きながら見つめるタロ吉にある男が声をかけた。

「経理のタロ吉さんですか?」

「あなたは?」

「私は専門商社R社の取引先のジャパン・ギャラクシー銀行法人営業の鮫島です。

実はあなたのことをずっと探してました。」

「え、俺を?」

タロ吉は驚きを隠せなかった。

「私はギャラクシー銀行という、宇宙探査に投資する法人向けの銀行を運営しております。また宇宙関連を生業とする企業に出資しています。

今回R社は宇宙食の販売代理店を計画してとり、弊社ギャラクシー銀行に声がかかったのです。


という建前は抜きにして、あなたは元日本銀河連邦の宇宙探査員、そんなあなたがどうしてここに入社したのか、その意向をお伺いしたい所存です」

「んなもん美女がいっぱいいるからだよ」

「失礼ですが、どこに美女が」

「は?そこら辺に歩いてるだろ…ウヒョおおおーりなちゅわああああああん」

「・・・実は現在あなたの親戚にあたるノビノビケノービさんが、二足歩行の宇宙生物とあらたに宇宙船の開発と、ヴィフラントという鉱物を探すための冒険に出るそうです。

どうです?」

「やーーーーだね!宇宙には美女がいる保証はない!!!!!」

「社長さん、ヴィフラントを手にしたらこの専門商社に戻っても良いと仰せでしたよ。もちろん経理として」

「え、ま、まじ?」

「マジです、むしろそれだけあなたに期待がかかってるんです」

「うっひょーーーーーーー」ぴきーーーーんと目の色が輝いたタロ吉は早速鮫島に頼み込んだ。

「頼む!ノビノビケノービに合わせてくれ!」

「はい」


鮫島は社用車の黒のパッソの助手席にタロ吉を乗せ、ガイア開発株式会社のオフィスに案内した。

オフィスには、金髪の美女さなえと、タロ吉おじにあたるノビノビケノービと、謎の宇宙生物と、ノビノビの友人ソロさんがいた。


「やぁ、専門商社解雇されたんだって!?」

「テンション高そうに言わないでくださいよノビノビケノービさん」

すると、謎の宇宙生物がタロ吉に近づいた。

「君、解雇されたの?ミーも、クビになったことあるサー」

「こ、こいつは誰だ!」

「失礼な彼はニブータ族の1人チャーシュービンクスだ」

「ミー、チャーシュービンクス。」

チャーシュービンクスは、まるでカタツムリの頭に、カタツムリを二足歩行にしたかのような奇妙な見た目をしており、まるでSF映画の着ぐるみのように思えた。

「チャーシュービンクス、彼は緊張してるんだ。彼はタロ吉、俺の甥だ。

こいつ頭は悪いが専門商社で経理をやってたんだ!その前は宇宙探査をやってた」

「すごーい!でもなんで専門商社入ったサー!?」

タロ吉は恥ずかしそうに答えた。

「び…美女がいたから」

「ミーサ、聞こえない、もう一度」

「可愛い女の子がいたから!!!!!それ以上の理由はない!!!

可愛い女の子を求めて専門商社に入ったの!でもクビになったの!ヴィフラントを手にしたら、戻って良いって言われたけど」

コホンと、ノビノビケノービは、咳払いをした。

「いやーその美女…そんなに可愛かったか?」

「可愛かった!!!マジで天使!!!!!!」

「そうか、価値観は人それぞれだもんな」

金髪の美女がタロ吉に近づいた。

「あんたばっかじゃないの?」と美女はいうと、タロ吉は「なに!!!俺様はなぁ」

美女は続けて「あたしは、さなえ・チーピィムーソ。言っとくけどあなた本当に仕事できるの?なんでここにいるの?」

「俺もなんでここにいるか知りたい」


ノビノビは仲裁に入った。

「まあまあ、彼は専門商社を解雇されたばかりで行き場所がないんだ。

俺の大切な甥だし、こいつは多分本気になれば本気になるよ」

さなえは、「ほんと?ならなんで専門なんとかは解雇されたの?」とノビノビに尋ねた。

「専門商社っていうのは…そう、難しい業務が多いんだ、それは宇宙探査よりも難しいぞ!」


さなえは鼻で笑いながら言った。

「はぁ?宇宙探査より難しいわけないでしょ。ねぇ、タロ吉、あんた本気でそんなこと信じてるの?」


タロ吉は頭を掻きながら言い返す。

「だ、だってよ!専門商社の経理部には美女がいて、集中できなくなるんだよ!数字が頭に入ってこないんだ!そんなん、どうしようもないだろ!」


「……呆れた。」

さなえはため息をつきながらノビノビケノービに視線を向けた。

「ねぇ、ノビノビ。この男、本当に大丈夫なの?ヴィフラントを探す旅に参加させるなんて、冗談じゃないわよ。」


ノビノビケノービは肩をすくめながら答える。

「まあまあ、さなえ。タロ吉には隠れた才能があるんだよ。……たぶん。」


「たぶん、って何よ!根拠もないじゃない!」

さなえが怒りをぶつけると、チャーシュービンクスが間に入った。

「ミー、分かるサー!タロ吉、まだチャンスあるサー!でも、ちょっと頼りないサーね。」


タロ吉は拳を握りしめ、勢いよく立ち上がった。

「おい!頼りないとか言うな!俺だってやるときはやるんだ!ヴィフラントを探して、美女だらけの専門商社に戻ってやる!」


ノビノビケノービは微笑みながら頷く。

「よし、そうこなくっちゃな。それじゃあ早速、出発の準備を始めよう。ヴィフラントを見つけるには、まず宇宙の最果てにあるグラヴィオン彗星帯に向かわないといけない。」


さなえは腕を組みながら不安そうな顔をしたが、最終的には渋々了承する。

「仕方ないわね……でも、足を引っ張ったら容赦しないから。」


タロ吉、ノビノビケノービ、さなえ、そしてチャーシュービンクスの4人は、宇宙船「スターラッシュ号」に乗り込み、ヴィフラントを探す冒険へと出発した。


タロ吉はコクピットに座り、興奮気味に叫ぶ。

「よっしゃー!これで俺も宇宙探査に戻れる!美女との再会まであと少しだ!」


ノビノビケノービは笑いながら操作パネルをいじりつつ言った。

「タロ吉、気を抜くなよ。グラヴィオン彗星帯は危険がいっぱいだ。そこには宇宙海賊もいるって噂だしな。」


タロ吉は背筋を伸ばしながら答えた。

「俺に任せておけ!美女のためなら、どんな敵でも倒してやる!」


するとさなえが冷たい目で言う。

「美女美女って、そればっかり。まったく、このチーム、未来が心配だわ。」


チャーシュービンクスは笑いながら付け加えた。

「ミー、楽しい旅になりそうサー!」


スターラッシュ号は順調にグラヴィオン彗星帯へと向かっていた。タロ吉は宇宙船の窓から広がる星空を見つめながら興奮を隠せなかった。


「うおおー!やっぱり宇宙はいいな!美女は見えないけど、ロマンがあるぜ!」


すると、さなえが後ろから冷たい声を浴びせる。

「いい加減、美女のことは忘れたらどうなの?ヴィフラントを見つけるっていう大事なミッションを忘れないでよね。」


「わかってるって!俺だって本気だぜ!ただ……帰ったら、専門商社の美女たちに会いたいだけなんだよ!」

タロ吉は歯を見せて笑いながら答えたが、さなえは完全に呆れていた。


その時、ノビノビケノービが警告音を聞きつけ、眉をひそめた。

「おい、みんな。レーダーに奇妙な反応が出てるぞ。どうやら何かが近づいてきてる……!」


チャーシュービンクスがモニターを見つめながら叫ぶ。

「ミーの勘サー!これは危ないサー!」


突如、スターラッシュ号の前に巨大な艦船が現れた。艦船は黒い鋼鉄で覆われ、無数の武装が並んでいる。その船体には「サンダークロウ」の紋章が刻まれていた。


「宇宙海賊か……!」

ノビノビケノービが険しい顔をする。


通信が入り、画面には大柄で厳つい顔をした宇宙海賊のリーダー、サンダークロウが映し出された。

「よお、小さな宇宙船の連中よ。ここは俺たちサンダークロウ海賊団の縄張りだ。通行料として、お前たちが持っているもの全部置いていけ!」


タロ吉は勢いよく画面に向かって怒鳴った。

「ふざけるな!こっちはヴィフラントを探してるんだ!そんなもん渡すわけないだろ!」


するとサンダークロウは低い声で笑った。

「ヴィフラントだと……?面白いことを言うじゃねぇか。それなら余計にお前たちを見逃すわけにはいかねぇな!」


その瞬間、海賊船からスターラッシュ号へ向けてレーザーが放たれた。


スターラッシュ号は激しい揺れに包まれた。さなえが叫ぶ。

「ちょっと!こんな小さい船で戦えるわけないでしょ!」


ノビノビケノービは冷静に操縦桿を握りながら答える。

「逃げ切るしかない!タロ吉、後部砲台に行け!チャーシュービンクス、お前はシールドの強化を頼む!」


タロ吉は慌てて後部砲台に向かう。

「俺にできるかわからないけど……やるしかねぇ!」


後部砲台に座り、ターゲットスコープを覗き込むタロ吉。目の前には迫り来る海賊船のドローンが映し出されていた。

「よし……俺の経理力でこの状況を打破してやる!」


さなえがコックピットで叫ぶ。

「経理力って何よ!?撃てばいいだけでしょうが!」


「うるせぇ!見てろよ!」


タロ吉はガンガン砲撃を始め、次々とドローンを撃墜していく。意外にもその腕前はなかなかのものだった。


「おいおい、俺って意外とやるじゃねぇか!これで美女たちに英雄として戻れるぜ!」

 

だが、敵の攻撃は激しさを増す一方だった。チャーシュービンクスが焦りながら言う。

「シールド、もう持たないサー!」


「くそっ、このままじゃ終わっちまう!」

ノビノビケノービが苦渋の表情を浮かべる中、さなえがあるボタンに目を留めた。


「このスイッチ……非常用のエネルギー転送装置?これを使えば一気に逃げられるかもしれない!」


「おい、それは最後の手段だぞ!エネルギーを使い切ったら漂流することになる!」

ノビノビケノービが止めるが、さなえは迷いなくスイッチを押した。


スターラッシュ号は一瞬で光に包まれ、超高速で加速を始めた。サンダークロウたちの船を置き去りにし、グラヴィオン彗星帯へと突入したのだった。


タロ吉たちはグラヴィオン彗星帯に突入し、ようやくサンダークロウ海賊団の追跡を振り切ることに成功した。しかし、安心する間もなく、スターラッシュ号の警告アラームが鳴り響いた。


「また何か来たのかよ!?もう勘弁してくれよ!」

タロ吉が額の汗を拭いながら叫ぶと、ノビノビケノービが険しい顔をして言った。

「彗星帯の中心から異常なエネルギー反応がある……だがこれは、ただの岩石や宇宙船じゃない。生物だ。」


「生物だと!?宇宙にそんなデカいやつがいるのか?」

タロ吉が目を丸くする。


その時、コックピットの前方に巨大な影が現れた。それは、全身が彗星の欠片のようにキラキラと輝く怪物だった。その姿は龍のように長大で、鋭い牙と赤く光る目を持っていた。


「これがガルガロス……!グラヴィオン彗星帯の守護者と呼ばれる伝説の怪物だ!」

ノビノビケノービが低く呟く。


ガルガロスの襲撃


ガルガロスはスターラッシュ号に向かって猛スピードで突進してきた。その動きは巨体とは思えないほど速く、船体に衝撃が走る。


「これ、逃げるなんて無理でしょ!?」

さなえが叫ぶ。


「大丈夫だ!俺がなんとかする!」

タロ吉は後部砲台に戻ると、必死に砲撃を始めた。しかし、ガルガロスの体は彗星の結晶で覆われており、砲弾をものともせず迫ってくる。


「くそっ、全然効かねぇ!このままじゃやられる!」

タロ吉が焦る中、ノビノビケノービが冷静に指示を出した。

「ガルガロスの弱点は、その胸部にある赤い結晶だ。あそこがエネルギーの源だと言われている。狙え!」


「言うは易しだろ!」

タロ吉はスコープで狙いを定めるが、ガルガロスの動きはあまりにも素早く、弱点を捉えるのは難しい。


その時、チャーシュービンクスが急に叫んだ。

「タロ吉、ミーがガルガロスの注意を引くサー!その間に撃つサー!」


「お前、そんなことしたら危ねぇぞ!」

タロ吉が止めるが、チャーシュービンクスはすでにシールドを解除し、小型の救命艇でガルガロスに向かって飛び出していた。


「おいおい、本気かよ……!」

タロ吉はその勇気に心を打たれ、砲台の操作に全神経を集中させた。


チャーシュービンクスが救命艇を操作してガルガロスの周りを旋回し始める。

「こっちだサー!ほら、来いサー!」


ガルガロスはその小さなターゲットに興味を持ったのか、救命艇に向かって動き出した。その隙に、タロ吉は胸部の赤い結晶を捉える。


「……ここだ!頼む、当たれ!」


タロ吉は砲撃ボタンを押し込む。光の弾丸が一直線にガルガロスの胸部に向かい、見事に赤い結晶を撃ち抜いた!


ガルガロスは苦しそうに咆哮を上げ、その巨体が崩れ始めた。彗星の欠片が宇宙に散らばり、静寂が訪れる。


タロ吉たちは辛うじてガルガロスを倒したものの、チャーシュービンクスの救命艇はガルガロスの破片に巻き込まれて行方不明になっていた。


「チャーシュービンクス……まさか……!」

タロ吉が呆然と呟く。


ノビノビケノービは悲しげな表情をしながらも、冷静さを保って言った。

「……彼の犠牲のおかげで生き延びることができた。我々は前に進むしかない。」


さなえは目を潤ませながら拳を握りしめる。

「チャーシュービンクス……絶対に無駄にはしない!」


ep.2に続く

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