20XX年9月XX日
お母さんに会いに行った。待ち合わせ場所は、お母さんが一人で暮らすアパートの最寄駅前の小さな喫茶店だった。
学校はどうかと聞かれて、僕はついにいじめを打ち明けた。お母さんはショックを受けていた。
お父さんには言ってないのかと聞かれたから、話せていないとは答えたけれど、その理由までは黙っていた。
ケーキとジュースが運ばれても、お互いすぐには口を付けなかった。
お母さんは、お父さんに話してから担任の先生に相談した方がいいと言った。「そうする」とは答えたけれど、中先生がどうにかしてくれるとは到底思えないし、とてもじゃないけれど、お父さんにも話せない。
その後は二人でケーキを食べながら、たわいない話や、懐かしい思い出話をした。
帰り際、お母さんはお小遣いをくれた。一人暮らしで大変だろうからと一度は断ったけれど、このぐらいの余裕はあるわよと笑って握らせてくれた。また今度会おう、何かあったら連絡するようにと言われ、僕は泣きそうになったけれど、ぐっと堪えて笑顔で別れた。
離れていても味方はいる。僕は独りじゃない。そう思うと、少しだけ気が楽になった。
でも、この日記を書いているうちに、だんだん不安になってきた。
もう二度とお母さんに会えないような気がするのは何故だろう?




