友達
初めまして、天川裕司です。
ここではシリーズでやってます『夢時代』と『思記』の原稿を投稿して居ります。
また、YouTubeドラマ用に仕上げたシナリオ等も別枠で投稿して行きます。
どうぞよろしくお願い致します。
少しでも楽しんで頂き、読んだ方の心の糧になれば幸いです。
サクッと読める幻想小説です(^^♪
お暇な時にでもぜひどうぞ♬
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無課金でやっておりますので、これで精一杯…と言うところもあり、
お見苦しい点はすみません。 なので音声も無しです(BGMのみ)。
基本的に【ライトノベル感覚のイメージストーリー】です。
創造力・空想力・独創力を思いっきり働かせて見て頂けると嬉しいです(^^♪
出来れば心の声で聴いて頂けると幸いです♬
でもこの条件から出来るだけ面白く工夫してみようと思ってますので、
どうぞよろしくお願いします(^^♪
タイトル:(仮)友達
▼登場人物
●友奈史男:男性。45歳。独身サラリーマン。友達が居ない。
●速水健一:男性。45歳。普通の独身男性のイメージで。
●仲尾保子:女性。40代。史男の理想と夢から生まれた生霊。
●ロボット速水:外見は速水そっくりで中身はAIロボットのイメージで。
●AIロボット:こちらは全部一般的なイメージでOKです。
▼場所設定
●某IT企業:史男が働いている。都内にある一般的なイメージでお願いします。
●バー「フレンド」:お洒落な感じのカクテルバー。史男と保子の行きつけ。
●2次元のビルオフィス:史男が閉じ込められる。中にはAIしか居ない。ラストの場面では幻想的に消えて行く演出でお願いします。
▼アイテム
●フレンドカクテル:史男がいつも注文する普通のカクテル。オレンジテイストを想定してます。
●ラストフレンド:保子がオーダーした特製のカクテル。これを呑むと一種の幻覚作用のようなものが働き、その幻覚がラストの場面に繋がる…という流れで。
NAは友奈史男でよろしくお願い致します。
(イントロ+メインシナリオ:ト書き・記号含む=5589字)
イントロ〜
皆さんこんにちは。
ところで皆さんには今、友達は居ますか?
心から信頼でき、ずっと一緒に居られる友達。
友達作りは物心ついた時から始まりますが、
それでも人生長く生きている内に離れたり、
裏切られたりし、段々減っていく人も多いのではないでしょうか?
今回はそんな、友達がどうしても欲しいと思ってやまない
ある男性にまつわる不思議なお話。
メインシナリオ〜
ト書き〈カクテルバー「フレンド」〉
史男「ふう。今日も疲れたなぁ。仕事仕事で毎日追われ、これで俺の人生も過ぎていくのかなぁ。こんな時、誰か信頼できる友達でも一緒に居てくれて、いろんなこと喋り合えたら気分も紛れるのに…」
俺の名前は友奈史男。
今年、45歳になる独身サラリーマン。
俺には友達がいない。
都内のIT企業で働きながら、毎日ルーティン作業に追われ、
仕事が終わればこうしていつもの行きつけの店に来て、
時間になったら部屋に戻り、眠りについて、
また朝が来ればいつものように出社する。
外に出て働いていれば友達なんか普通にできる…
なんて言われがちだが、果たしてそうでもない。
人の性格によって友達ができるきっかけも変わってしまう。
俺は俺で精一杯、人に合わせてるつもりだったが、
周りからすればそんな事は当たり前。
魅力的でも何でもなかったらしい。
俺みたいな悩みを持ってる奴は他にも沢山居るだろうか。
でも、例えそうでもそんな彼らと出会えるコミュニティーを
持つきっかけもなく、ただ平然と毎日が過ぎてゆき、
結局、身の周りには誰も居ない。
こんな事で悩むと言う事すら
ステータス的に見れば格好の悪い事であり、
誰も彼もの話題には余り上らず、隠れたSNSサイトなんかで
ちょこっと相談したり、そこでまた揶揄されたりを繰り返す。
結局はこんな事で悩む多くの人の行き先には、
こんな現実が待ってるんじゃないだろうか。
ト書き〈会社〉
同僚「お疲れ様で〜す」
史男「ああ、お疲れ様〜」
会社でも社会でも普通に人とは接するのだが、
お疲れ様、暑いですね・寒いですね、
そんな挨拶1つで関係が終わりその後の展開は無い。
30後半まではこれでも良かったが、
40歳を過ぎた今、俺は無性に心許せる親友、
他愛ない事でずっと喋って居られる友達が欲しい…
と猛烈に思い始めていたのだ。
ト書き〈バー〉
史男「ふぅ。フフ、今日も1人か♪」
そしてまた会社帰り。
俺はいつものバーに寄ってフレンドカクテルを頼むのだ。
でもある日の事だった。
そんな風にして俺が飲んでいると…
保子「こんばんは♪お1人ですか?もしよければご一緒しませんか?」
と背後から声をかけてくる人がいた。
振り返って見ると結構な美人。
でもどことなく不思議な雰囲気を漂わせ、何か…
「昔どっかで会った事がある人…?」
そんなデジャヴのようなものを突きつけてくる。
史男「え?あ、ああ、どうぞ…!」
外でこうして声をかけられたのは本当に何年ぶりだろうか。
俺はつい嬉しくなって彼女をすぐ自分の隣へ座らせ、
談笑できる準備を整えていた。
保子「フフ、すみません♪」
彼女の名前は仲尾保子。
普段はセールスのような事をしているらしいが、
サイドビジネスでライフコーチなんかもやっていると言う。
今流行りのヒーラーと言うやつだろうか。
でも、もう1つ不思議な事があった。
それは彼女を見ていると、
なぜか自分の事を無性に話したくなる。
つまり自分の悩みを彼女に打ち明けて聞いて貰い、
何かいろいろ解決して欲しくなってくるのだ。
本当に不思議だった。
そして気がつくと、
俺は今の自分の悩みを全て彼女に打ち明けていた。
保子「へぇ、そうなんですか?そんな風には見えませんけどねぇ。とっても誠実そうで、人当たりも良さそうですし、友達なんかも多いように見えますけど?」
史男「いやぁ全然ダメなんですよ僕は。広く浅く付き合うのは確かに得意かもしれませんが、本当の友達と言うのは1人も居ません。いざと言う時にどうも臆病なんでしょうねぇ。ここぞって時に1歩が踏み出せないで、そのまま表面だけの付き合いになっちゃうんです」
彼女は俺の悩みを親身に聞いてくれていた。
そして…
保子「なるほど、そう言う事ですか。つまり友達らしき人は周りに居てくれるけど、どうも親友と言うのにはまだ巡り会えていない。だからその親友が欲しい…」
史男「あ、はは、ま、まぁそんな感じで…」
保子「わかりました。ここでこうしてお会い出来たのも何かのご縁。私がその友達作りのお手伝いをして差し上げましょうか?」
史男「え?」
そう言って彼女は持っていた鞄から書類のような物を取り出し、
そこに記載されたインターネットアドレスのようなものを俺に差し出してきた。
史男「こ、これは?」
保子「まぁ今流行りのマッチングアプリのようなものです。ただ普通のマッチングアプリとは違い、それは友達作り専用のもの。きっとそのサイトを利用して暫く経てば、あなたが望んでいるような心許せる親友と出会える事でしょう。いかがですか?もしよければ是非1度、お試しになってみませんか?」
彼女は穏やかな笑顔でそう言ってきた。
やっぱり不思議な感覚が漂ってくる。
彼女にそう言われると、
それまで1度も利用した事がないそんなサイトでも
何か利用してみたくなるようなそんな気持ちにさせられた。
ト書き〈数週間後、バーで〉
それから数週間後。
速水「やっ♪こんばんは!」
史男「おぉ速水君♪ここだよ、ここ!」
俺は彼女が紹介してくれたそのサイトで、
速水健一君と言う友達と出会う事が出来たのだ。
本当にあっと言う間だった。
まるで俺がそのサイトを利用するのを待っていたかのように、
彼との出会いは早かった。
速水「へぇ〜、そうなんだ。友奈さんも大変だねぇ〜」
史男「ハハwまぁしょうがないさ♪」
俺は速水君と世間話から会社での話、
そして恋愛話や将来の夢の事なんかまで、
本当に心行くまで話す事が出来、なぜか知らないが、
彼と一緒に居るだけで心が安らぐのを感じていた。
ト書き〈別日〉
そして別の日。
今日は1人でいつものバーへ飲みに来ていた。
史男「あ、仲尾さん♪」
彼女が1人、前に座っていたその同じ席で飲んでいた。
保子「あら友奈さん♪」
史男「いやぁまたお会いできるなんて嬉しいです♪」
保子「フフ、上機嫌ですね〜♪あ、前にご紹介したサイト、どうですか?友達はできましたか?」
史男「あ、それなんですよ♪」
俺はすぐあのサイトで友達が出来た事を彼女に話した。
保子「そうですか〜♪それはよかったです」
史男「ハハwええ♪全てはあなたのお陰ですよ!本当にどうも有難うございます♪」
保子「いえいえ、私もあなたのお役に立てて何よりです」
そして暫く談笑したあと彼女は、少し気になる事を言ってきた。
保子「でも良いですか友奈さん?友達と言うのは確かに有難い存在ですが、良い時もあれば悪い時もあるものです。つまり、気が合う時もあれば合わない時もあると言う事で、その合わない時にこそ、自分がどう対応するべきか?それについて深く考えなきゃなりません」
史男「え?あ、はぁ…」
保子「これまでの付き合いから友奈さん、どうもあなたにはまだ友達付き合いを円滑に進められない性格が少し残っているようです」
史男「え?いや、あの、何言うんですか?」
保子「いえいえ、お気に触ったのなら申し訳ありません。ただ長らくそうした友達と付き合ってこなかったあなたには、その辺りの事も少し注意して頂きたいと思いましてね…」
つまり彼女は、
「その友達と喧嘩した時にこそどう対処すべきか?」
それを俺に考えろと言ってきたようだ。
史男「ハハ♪大丈夫ですよ!彼も僕と同い年でねぇ、もう若い時にするようなそんな不毛な喧嘩はしないでしょうから♪彼だって友達が欲しいと思っていたようですし、だからあのサイトを利用してたんだろうし、おそらく今後も僕と彼との間にはそんな子供じみた喧嘩は無いですよ」
保子「フフ、そうですか♪それなら良いんですけどね。…でも友奈さん、これだけは忘れないで下さい。あのサイトで出会えた友達と言うのは、そのサイトを利用した人の性格に非常にマッチした人しか出会えない、そんなシステムになっているんです」
保子「つまり、あのサイトで出会えたその速水さんとは必ず喧嘩しても仲を修復するように心がけ、間違っても仲違いした後、そのまま関係がほつれてしまう…と言うような事だけにはならないようにして下さいね。でないと、とんでもない事になるかもしれませんから」
史男「え…?」
保子「ウフフ、ごめんなさい。酔っ払っちゃったんでしょうか私。まぁ彼とはずっと仲良くやれるように心がけて下さいね。あ、どうですか?ここのカクテルで美味しいのがあるんですが、飲みません?」
そう言って彼女は「ラストフレンド」と言うカクテルを注文し、
俺に差し出してきた。
少し変な気もしたが、とりあえずそのカクテルを飲んだ。
史男「う…効きますねぇこのカクテル…」
ト書き〈仲違い〉
でもそれから数週間後。
俺は彼女の言った通りの状態になってしまった。
あの速水君と喧嘩して、思いきり仲違いしてしまったのだ。
史男「なんだよアイツ!約束はすっぽかすようになるし、なんか段々と傲慢になってきやがったし、一緒に居るだけで胸くそ悪くなってきやがった!ちょっと見りゃあ、別に何人も友達だって居るようだし、俺に言ってた事と全然違うじゃねぇか!」
つまり速水はその本性を俺の前で思いきり表し、
俺を馬鹿にする形で捨てたのだ。
まぁそれでも恋人に捨てられる程のモンではなし。
そんな事で悩むのも馬鹿らしくなってしまった俺は、
もうその後、彼とは一切連絡を取らず、
関係の修復など一切思わなかった。
(バーで飲みまくって)
史男「チッ!死んじまえあんなヤツ!ヒック!」
そうして又バーで飲んでいた時。
俺の背後にあの懐かしい雰囲気が漂い、
気づいて振り返って見ると彼女が立っていた。
史男「あ…な、仲尾さん…」
保子「フフ、友奈さん。お友達はどうしたんですか?最近、余り会ってらっしゃらないようですが?少し前まであなたはよく速水さんをこのお店に誘われてましたよね?実は私もこのお店が行きつけでして、すみません、ちょっと陰に隠れて見てたんですよ」
史男「え…?」
そんな事を言ってきた彼女に対し、俺は酔いの勢いもあったのか。
彼との間に起きた事、今の自分の実情を全て彼女に打ち明けてやった。
史男「へっ、所詮、友達なんてアレですよ!心の中の理想が見るマ・ボ・ロ・シってんですかねえ!wハハw僕にはどうせ友達関係を円滑に進めるなんて出来ませんしねぇ、まぁ仕方がないってヤツです!あ、ごめんなさいねぇwあなたにせっかく紹介して貰ったあのサイトですが、僕にはたった今ぁ、用無しになっちゃいましたぁwヒャハハw」
保子「そうですか、それは残念です。…でも友奈さん、あなた前に私が言った事を軽く見て、私との間で交わしたあの約束を破ったんですよね?」
史男「ヒック、はぁ?」
保子「ほら、たとえ速水さんと仲違いをしても、その関係を修復する為の努力をする、ってあの約束ですよ。お忘れですか?でも忘れたでは済まされません。言った筈です。もしその努力を怠れば、あなたにはとんでもない結果が待っていると」
史男「…へ?」
俺が顔を上げて彼女を見るなり、
彼女はその顔の横でパチンと指を鳴らした。
その瞬間、俺の意識は飛んだ。
ト書き〈2次元のビルの中〉
史男「え…?なんだココ…?どこなんだよ…?」
気づくと俺は見た事もないビルの中に居た。
窓もドアも全部閉まっており、開けられない。
外は真っ暗でどうも夜のようだった。
そしてそのビルの中も真っ暗であり、
薄気味悪いほどダークな空気が漂っている。
史男「ちょ、ちょっとなんだよココォ…!お、おい!誰か居ないのかぁ!?」
思わず気が焦り、半狂乱になりかけた俺の目の先に、
1つだけ明かりの点いた部屋があるのに気づいた。
史男「ハァハァ、あ、あの部屋…!」
そして俺は一目散にその部屋まで走り、
少しだけ開いたドアを一気に開けた。
そして中に入って見ると…
ロボット速水「アア、トモナクン、ドウモコンバンハァ♪」
史男「うわ…な、なにコレ…」
中にはAIロボットだろうか。
そんなロボットばかりが充満するほど敷き詰められた、
悍ましいプライベートオフィスの光景が飛び込んできた。
史男「う、うわあぁあ!」
ト書き〈消えていくビルを見上げながら〉
保子「フフ、結局こうなったか。このビルの空間は2次元の空間。3次元には存在出来ずやがては消えてゆく。…フフ、どうも完全に消えちゃったようね」
保子「私は史男の『人生における唯一無二の親友が欲しい』と言う純粋な理想と夢から生まれた生霊。でも史男は自分の性格を知らなかった。直す事もせず、ただ本気で付き合おうとする周りの人には自分のエゴだけを押し付け、その相手の気持ちを思いやる事は一切しない。つまり独裁の心が彼の中に渦巻いていた事を、彼自身が知らなかった」
保子「人は誰でも主観をもって生きるもの。コピー人間が居ないのと同じように、自分の夢や理想を全て叶えてくれる友達なんて居やしない。でも史男はただ自分の下僕を求めた。私が初めに紹介した速水君は生身の人間。でも史男はその彼との関係を断ち切り、その後、2度と友達を作ろうとはしなかった。それはつまり、生身の人間と付き合うのを諦めたと言う事」
保子「フフ、あのビルの中には、史男の言う事は何でもハイハイって聞いてくれる従順なロボットしか居ない。ロボットになった速水君も、今度は史男の要求を全部呑んでくれるでしょうね。もう仲違いする事もない程に。ただ彼らはみんなロボットだから、感情は持たず、自分から史男に何かしてくれる…という事も無い」
保子「でもまぁ自らその道を選んだのだから、史男はこれからあの空間でこそ、何とか自分の幸せを見つけようとするのでしょう。とりあえずお幸せにね…」
少しでも楽しんで頂き、読んだ方の心の糧になれば幸いです。
サクッと読める幻想小説です(^^♪
お暇な時にでもぜひどうぞ♬