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痴漢

 む?


 何だ、この感触は?


 気のせいではない。


 明らかに触られている。いや、弄られている。


 満員電車で、皆が身動き取れないのをいい事に、やりたい放題という訳か。


 何て品性下劣な男だ。


 絶対に許さない。


 私が降りる時か、こいつが降りる時に首根っことっ捕まえて、警察に突き出してやる!


 でも、振り返る事すら出来ないので、奴の顔を見る事が出来ない。


 あ、駅だ。


 少しだけ人が動いた。これで奴の顔が見られる。


 私は身体を捻るようにして後ろを見た。


 真後ろにいたのは、中年のサラリーマン。


 でも両手は吊り革。


 私を触ってはいない。


 他の奴?


 もう少し身体を動かしてみる。


 しかし、皆両手が見えている。


 犯人がいない?


 そんなバカな?


 私のお尻は、今も触られたままなのだ。


 こうなったら、この手を掴み、引き摺り下ろすしかない。


 意を決して空いている左手で、まだ人のお尻を触り続けている手を抓った。


「いて!」


 声がした。


 私は、その手を逃がさないように掴んだ。


「この痴漢、許さないわよ!」


 私は次の駅に到着と同時に、犯人の手を掴んだまま、ホームに出た。


「さあ、警察呼ぶから、覚悟しなさい」


 私は犯人を見るために振り返った。


 そして腰を抜かした。


 私のお尻を触っていたのは、「右手首」だけだったのだ。

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