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山荘にて

 今、私と私の恋人である里美は、荒れ狂う暴風雨を窓から見ていた。


 私たちがいるのは、山の麓にある別荘。


 その中のロビー兼居間のような部屋に、私達を含めて三組の男女がいた。


 それぞれ肩を寄せ合い、男が女を励ますという光景が目に入る。


 そのうちの一組は、あからさまに不倫とわかる年の差カップルだ。


 年の差婚の可能性もあるが、2人の会話を聞いている限りでは、多分不倫だ。


 もう一方は20代、あるいは10代後半のカップル。

 

 男が泣きじゃくる女を宥めている。


 何故こんな状況なのか?


 それは、この別荘の持ち主である富豪の老人が、寝室で殺されたからだ。


 女性達は恐怖に震え、泣き叫んだ。


 私と年の差カップルの男はどうにか相手を落ち着かせる事に成功したが、若い男はまさしく火に油状態で、男が何か言えば言うほど、女の泣き声が大きくなる。


「少し静かにできんのかね? 子供じゃあるまいし」


 年の差カップルの男、及川が言い放った。


「るっせえよ、ジジイ。余計なお世話だ」


 若いカップルの男、沢口が言い返した。


「人が殺されたんだ、泣きたくもなるだろ?」


「それはわかるが、もう少し落ち着かせてくれ。もう小一時間ほど経つんだぞ、あんたの彼女が泣き出してから」


 及川の苛立ちもわかる。しかし、沢口の彼女が泣くのもわかる。


 何しろ、この別荘は陸の孤島なのだ。


 暴風でここに来るための吊り橋が落ち、逃げる事ができない。


 その上殺人犯がいるのだ。


 絶望的な状況で取り乱し、泣きじゃくるのは仕方ない事だ。


 泣くなと言う方が無理なのである。

 

 私は軽く咳払いをしてから口を開いた。


「さて、次は誰が死にたい?」

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