表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

19/200

ネオンテトラは始動する 19

-1994年8月-


下田の夜。


おじさんが一人だけいた男風呂で、温泉を堪能した。

うん、一人の方が気が楽だよ。


女風呂が隣にあって、胸の大きさを評価し合っている様子に聞き耳を立てるとか、そういうラノベのような展開は、ない。


昼間は、何だかすごく精神力を消耗した。

俺のMPはもう一桁だよ。


夜は、大広間で、エア投資の成果発表をするらしい。

サークル活動してるじゃん。良い良い。


「先輩は、後ろでコソッと見てください」


とか皿橋に言われたので、コソッと大広間に入ろうとしたのだが……


「見た!?東堂先輩の××、めっちゃ綺麗なピンク〜!」


「羨ましいわ、私なんて××が××で……」


とか、


「新垣先輩の胸、めっちゃハリがあってビックリしちゃった〜」


「私も触らせてもらった〜!」


だの、


「曽良岡先輩のスタイルエグくない?

トップとアンダーの差がヤバイわ!」


「いやむしろウェスト、マジでビビるんですけど!」


「何センチなの!?」


57㎝だよ!とか内心ツッコんでみたり……


などなど、風呂上がりの一年達のトークが、大変盛り上がっている様を聞いてしまい、入るに入れなくなってしまった。

しまいには、


「私は、2号でも良いですよ!」


「私が、2号です!」


「いやいや、私はもう予約されちゃったもんね〜」


とか、何の話か判然としないが、何やら不穏な話まで聞こえてきた。



困ったな、とウロウロしていると、皿橋と有希がやってきた。


「何してるんですか?始めますよ?」


不審者扱いである……。



「は〜い、みんな!静粛に!」


というわけで、成果発表が始まった。


割と真面目にやってるのもいれば、適当な奴もいて、人それぞれって感じだな。


さすがに上級生たちは、手本となるべく、書式を合わせて手堅くやってる。


別に成果を期待しているわけではない。

こうして、興味を持ってくれれば、まずは良し。


「では最後に、会長!一言ください」


え?そうなの?

何も考えてなかった。


みんなの視線が集まる。


「みんな忙しい中、課題をこなしてくれて、ありがとう。

とても楽しませてもらった。

こうやって、たまに経済やお金のことに興味を持ってくれると、嬉しい。

今夜は、楽しんでくれ」


ぱちぱちぱち。

新歓の時よりは、拍手が大きいな。

地味に嬉しい。



夕食後、部屋で有希とマッタリお茶を飲んでいる。


「岸谷くん、昼間、妙子ちゃんと何かあったんだって?」


ニコニコしてるね。


「イヤ、ナニモナイヨ」


「ふーん」


夏なのに、涼しいなぁ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ