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16/200

ネオンテトラは始動する 16

-1992年7月-


夏休み前に、写真サークルの飲み会があった。

学生向けの安い居酒屋で、飲み放題。

謎の冷えた串盛り合わせ、山盛りのフライドポテトや焼きそばが出てくる、例のやつである。


本来なら体に悪そうなので遠慮するところだが、参加した。



一次会が終わって、大学近くで暮らしている誰ぞの家で飲み直そう、的な流れになり、大学近くを歩いている。

ちなみに俺の部屋には入れないからね。


俺は集団の後ろの方を歩いていて、頭もガンガンするし早く帰りたいなぁ、と思っていたのが前世のこと。


今回は、あまり飲まないでおいた。


前世ではうろ覚えだったのだが、今回はっきりとわかった。

集団の後方を歩いていた俺の隣に、いつの間にか栗色の髪のストレートを胸まで伸ばした、品の良い一年の女子が歩いている。

気になってた子だ、嬉しいな。

割と酔っ払っている。ふらふらだ。

手と手が触れそうなくらい近い。

前世では全く気にしてなかったのだが、やっぱ距離感おかしいよね?向こうから近づいてるよね?


そう、言うまでもなく、東堂 有希だ。



前世での流れはこうだ。


ほどなくして、有希は、酔ったので帰ると言い出す。

有希は、大学近くで一人暮らしをしている。

そして、俺に送って欲しい、と言いかける。

その時、日焼けしたチャラい先輩が、俺が送ってくし、と言い出す。怪しい。

頭痛いし、早く帰りたいと思っていた俺は、何も気が付かないので、そのまま送り出す(後から気がついた)。

微妙な間を置いて先輩が戻ってくる。多分失敗したんだろう。

その後有希は、サークルに顔を出すことはなかった。


という顛末である。

今回は、流れを変えてみせる!



微妙に歩く速度を遅くして、集団から徐々に距離を取りつつ、有希が律儀に喋り出す前に、小声で話しかけた。


「送って行こうか?」


これで断られるなら、それはそれで良しだ。


「……うん」


よし!!


「すいませーん!!

東堂が俺に送ってって欲しいってんで、ちょっと行ってきまーす!!」


こういうのは先に言い切った方が勝ちだ。


「お、おう」


としか、言えなくなる。



脇を支えてやり、有希を部屋まで送って行った。

見た目以上にグデングデンだったので、寝かしつけたら俺の方がぐったりしてしまった。

弱い癖に飲み過ぎてしまったのだろう。


急性アルコール中毒の恐れもあるので、水を用意して待機した。


しばらくして、なんか苦しそうに唸っていたので、水を飲ませたら、人に言えない感じのことになったので、後始末含めて帰るに帰れなくなってしまった。


結局、夜明け頃に俺も寝てしまって、青白い顔をした有希に起こされることになった。


その後、日を改めて謝り倒された。

という、なんの色気もない展開になった。


ま、それはそれで良いか、と寂寥感に苛まれつつも諦めかけていた二週間後。


やおら放課後に待ち伏せされて、ご飯を奢られた。

そう、有希は律儀な良い子だった。


その後、夜景スポットに誘ってみたら、満更でもない反応で、良い感じになった。


……ということで、この年の冬には、付き合うことになる。


かなり後になって、あの後、俺が全然誘わないから、痺れを切らして自分から誘った、ということを聞いた。

やおら放課後事件のことである。


なんかスマン。よく誘ってくれた。



夏になったので、株を買い増しした。

半導体製造大手の、【東海エレクトロニック】、ゲームや遊技機の大手、【ミドルウェーブ】のニ社だ。


【東海エレクトロニック】

単元1000株55万

¥550,000 × 500単位(500,000株) = ¥275,000,000


【ミドルウェーブ】

単元1000株70万

¥700,000 × 400単位(400,000株) = ¥280,000,000


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