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ラヴァブル・バンディット  作者: 金下奏汰
4/7

第4話 金髪少女

 ゆっくりと画面をスクロールしていくと、

 

『カミセさん、あなたのチームメンバーは

 

 という画面が見えた。

 えい!俺は勢いよく画面をスクロールした。


『カミセさん、あなたのチームメンバーは


 ココナ

 カミセ

 モモカ

 ナナミ

 リリア


 以上の5人になります。』




 ええと、僕以外全員女子ですか?名前を見る限り。なんで?僕あまり女性と話すのが得意ではないのですが。嫌がらせですか。なんか嫌な予感もしますが、実際に会ってみないとわからないか。凄い能力の持ち主だって考えられるし。


「お、君がカミセくんか!

 一緒やね!」

 そんなことを思っていたら、隣の人がメッセージを覗き込んできてこのように言った。どうやら一緒のチームの人らしい。というかなんか見たことある顔だと思ったら、さっきのあの金髪少女だ。予感的中。

「え、終わった。」

 やべ、反射的に声が漏れる。この人初っ端からぶいぶいかましてた人だよな。なるべく近づきたくないと思っていたのだが。

「おい初対面で何を言う」

 金髪少女は笑顔から真顔になってぶってきた。

「いってえ、よりによってなんでこいつ」

「おい失礼だぞ、2回も言うなー」

 金髪少女がもう1回ぶってきた。

「いやーカミセ?僕はそんな人じゃないですねー?人違いだと思いますよー」

 凄い棒読みだ。自分でもわかる。

「いやいや、今目の前でメッセージ見ましたから、私の名前も載ってるし」

 ああもう逃れられない。おいアカマツ、なんでこいつと一緒にした。俺は舞台上にいるアカマツさんに睨んだ視線を向ける。するとこの金髪少女は、

「あ、そうだ、私はモモカって言いまーす!”モモ”って呼んでね!よろしく!」

 金髪少女のペースを掴むことができない。急に自己紹介するし、急にテンション上げるし。

「あ、えっと、俺はカミセです、よろしく」

 名前は知られているが、とりあえず俺も自己紹介をする。

「うん一緒に頑張ろうねー!」

 金髪少女がにっこり笑う。本当に凄い明るい人だ。

「お、おう」

「ほらほら記念に写真撮ろ!はいチーーズ!」

 少女は急に俺の腕を引っ張って、スマホの内カメラで2ショットを撮ろうとした。

「おいおいおい、急に何!」

 あまりにも急すぎて、勢いのままにカシャッと写真を撮られた。

「うんうん!いいのが撮れた!」

 少女は写真を確認する。周りから少し注目を浴びていてちょっと恥ずかしい。この人はなんとも思ってないのだろうか。

「えっとカミセくんはと、、お、発見」

 彼女はそう言うとメッセージで写真を送ってきた。写真に写っている俺の顔から「ザ・驚き」というものが伝わってくる。

 この人はマイペースすぎてついていけない、この人とチーム一緒で大丈夫なんだろうかと不安がよぎる。まあまだチームには他に3人いるしどうにかなるだろう。

 

「後の3人は誰だろうね」

 モモカさんは俺に聞いてきた。

「さあ、マシな人が来てくれないとつり合わない」

 また反射的に言ってしまい、俺の左頬には激痛が走った。

「懲りない人ですねー」

 モモカさんは頬を膨らませている。

「モモカさんもう少し加減を、あイタっ!」

 またなぜか俺の右頬に激痛が走る。

「え、なんで」

「もう同じチームなんだから、モモカさんて呼ばないで!モモって呼んでよ!」

「だとしてもしばくことはないでしょ」

 俺は赤くなったぶたれた両頬を押さえながら言う。なんだこいつ。メンヘラ彼女かよ。


 モモとこうして喋っていたら、舞台上のアカマツさんが再び喋り出した。


「それでは皆さん今年も頑張っていきましょう、今日のミーティングは以上になります、

 新隊員の方達以外は、もう今日はご自由にどうぞ、明日もミーティングを行うのでそこで詳しく話します」

 アカマツさんがそう言うと、先輩たちは立ち上がり、次々と講堂を後にしていった。


 講堂に残ったのが新隊員だけになると、アカマツさんが再び喋りだした。

「それでは、新隊員の皆さんには今からこの施設を案内していきましょう」

 アカマツさんがそう言うと、俺たちはアカマツさんの後を追って講堂を出ようとしたが、足を止め振り返りこう言った。

「あ、そうだ、そちらの女性は私の秘書をやってくれているレモンさんです、軽く自己紹介お願いします」

 アカマツさんは俺たちの後に続こうとしていた女性の方に手を向けた。俺たちは全員後ろを向き女性の方を見る。

「あ、ああ、恥ずかしいな、あはは、えっとアカマツさんの秘書を務めていますレモンと言います、よろしくお願いしますね」

 急に30人の新人隊員の視線を浴び少し恥ずかしがっていたが、言うまでもなくすごい美人さんだ。仕事もめっちゃできそうな雰囲気がある。男子たちはとても目を輝かせている。自分もそのうちの1人だ。

「よしそれじゃ気を取り直して、施設を案内していきましょう」

 アカマツさんがこう言い、こうしてサンスベリアの本部の施設巡回が始まった。

 

 

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