表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラヴァブル・バンディット  作者: 金下奏汰
1/7

第1話 ディバプロ

 この世界には永らく島国として存在し、歴史上、争い、天変地異など一度も起こったという記録のない不思議な国、「ディバプロ」がある。

 ここディバプロには、伝説がある。その伝説とは、ディバプロの人たちの生活を支え、安全を守る、オーブというものが古くからあると言われていることだ。

 ディバプロ各地には、10個のオーブが眠っていると言われており、そのオーブの場所を知っている人物は片手で数えられる程しかいないらしい。このオーブというものは、自然の資源となっている、「水のオーブ」、「火のオーブ」、「緑のオーブ」、「大地のオーブ」、「空のオーブ」がそれぞれ2つずつあると言われている。言い換えれば、オーブのおかげで、ディバプロの人々は生活できている。この話が真実であるかどうかもわからないが、今までの歴史でこれらのオーブの探索に出たものは一人もいない。公表されていないだけなのかもしれないが。というのもこのオーブを取ろうとでもしたら、天変地異がこの地で起こると言われている。どんな悪党でも、この取った際のデメリットが大きすぎる秘宝に手を出してきたものはいなかった。


 だが最近、島国であるここディバプロ周辺で、世界的大悪党集団、「アザミ」の姿が見られていることが数件報告されている。これに対し、「サンスベリア」という警察とは別である、国家が認定している治安維持機関は厳重に警戒体制をしくことを考える。しかし、片手で数えられるくらいの人数は知っていると言われていたオーブの場所を知るものは誰一人おらず、仕方なく機関が自力で探し出すことになる。すでに何人かが調査を進めている「アザミ」より先にオーブの場所を突き止めるべく、「サンスベリア」は大体の場所に見当をつけ、各地に隊員を派遣することとなる。

 隊員は基本15−19歳のメンバーからなる。


 ディバプロは島国で、このように警察とは別の、独自の治安維持機関もあるため、犯罪率というのは極めて少ない。起こりそうな雰囲気があっても、すぐさまディバプロ各地に配属されている「サンスベリア」の隊員が未然に防いできている。「サンスベリア」は隊員となっている身体能力抜群の高校生たちの能力を当然養成していっているのだが、ギフテッドと呼ばれるような天才をも研究員などとして機関に配属させている。いわば各方面の優秀な若者が揃っている機関、と言ってもいいだろう。国は当然この機関に対して信頼を置いているし、世界からも注目されている機関にもなっている。


「はい17時になったから今日の作業は終了しよう」

 「サンスベリア」代表のアカマツが言う。

「明日からは、新入りの隊員も入ってくるから、明るくいきましょう!」

 赤松が続けて言う。

「どんな子が来るんかな」

「イケメンいるかな?」

「おい相手は未成年やぞ」

 ここで働く女性陣がコソコソ喋っている。

「でもやっぱりキウラくんを上回る子はいないでしょ」

「なんたってあのルックスかつ好成績を収めているもんね」

「同じチームの女子たちは、あんなに一緒にいて何とも思わないのかしら」

「ここに所属している女子にそういった感情はないんじゃない?」

「武器を持ってるくらいやしね」

「よく入ろうと思うよ、日頃のトレーニングもしんどそうだし」

「だねー」


 実は、この「サンスベリア」の隊員はほとんど男子というわけではない。

 4割くらいは女子である。

 ここの隊員になったら、20歳になって卒業するまで、この建物内で全額無償の寮生活となる。因みに女子寮の食事の方が、いいシェフがついているので、男子は不平等だと嘆いている。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ