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「本当にろくでもないな…。」


王は宰相の報告を聞いて呆れ返った。


いきなり来た第二王子をきちんともてなし帰国する第一王子達にきちんと心を尽くした送別会を開き送り出した。

しかし、ガラガ王国から返ってきたのは嘘くさい世辞の言葉と研究員の誘拐という犯罪行為だった。


夜会に参加した男爵の位を持つ研究員をバルコニーで気絶させて箱に入れ、荷物と一緒に積込み帰るという手口を使った事は判明している。

バルコニーでの犯行の瞬間を数人が目撃していたのだ。


その後すぐに研究員は救出され、代わりに諜報員を変装させ箱に入れ送り出したのだが、箱に入れ見張りもいなければ出発時に確認をした様子も無くその雑さに心配になる程だった。


「まったく次から次へと…。」


これがガラガ王の命令なのかどちらかの王子の単独なのかは現時点では不明だが、どちらにしても国際問題。

アルベール国はガラガ王国へ攻め込む大義名分ができた。


「グロースライダーを呼べ。」


アルベール国王はこの問題をガラガ王国に異様に詳しいグロースライダーに丸投げする事にして他の重要案件の資料を手にした。






「身内がごめんなさい。」


「気にする事はない。愚か者なのは今に始まった事では無いしな。あれで自分では優秀だと思っているのだから笑える。」


「本当に恥ずかしい…。ちょっと今は立て込んでるので一時間後に折り返します。」


海中遊覧中にグロースライダーから通信が入りユナはため息をつきながら城へ引き返した。

水着から着替えると各自で寛いでいるところに招集をかける。


「ちょっと緊急事態が起こったのでアルベールの城に行きます。後から呼ぶかもしれないけどユンギとヴィルーヴさんはここに残って欲しい。

師匠、宜しいですか?」


「私は構わないですよ。」


「ユナ様、なんで置いてくの?」


「人間の姿では居させてあげられないしもし何かあっても対処が遅れるかもしれないの。

だがらユンギはここで待ってて欲しい。

ヴィルーヴさんはユンギの護衛も兼ねて残って。」


「それがお望みとあらば。ユンギ、大人しく待ちましょう。」


少し不服そうにしながらもユンギは頷いた。

バーンは行く事が確定しているのでユンギとヴィルーヴからの熱い視線がとても気まずかったが、グロースライダーの通信を聞いているのでむしろ残りたい気持ちも強い。


「バーン、簡単に荷物まとめたらエントランスね。」


「了解。」


早々に解散すると、イエニスタはユナを引き止めて二人だけで話がしたいと庭園に誘った。

ユナは一瞬躊躇ったが頷きイエニスタの後に続いた。



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