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イエニスタの(いえ)に滞在して二週間が経った頃、バーンもヴィルーヴもイエニスタやドラゴン達の存在(あつかい)に慣れ平和な日々を過ごしていた。


他の三人と二匹は水の中で遊ぶ事も多く、専用の服を着ているので男性陣二人は置いてきぼりになりがちだったが、二人には有難いことで剣の訓練やら酒盛りをして自由に行動している。


「こんな平和な日々があるなんて夢のようですね。」


「本当に…いつも何だかんだトラブルがあるからな。いや、非現実的な事は目の前にあるんだけどな。」


「その内また何か起こるのでしょうね…。」


「まあ…それまでは気楽に過ごそうぜ!」


ユナ達がのんびり過ごしていたその裏で、厄介事はアルベールに近づいていた。




同日の同刻、アルベール王城では夜会の準備と予定外の客人のもてなしの準備に追われていた。

数日前、ガラガ王国国王から帰国せよと手紙が届き、第一王子ルデウス一行の帰国が決まった。

彼らの世話をしていた者達は歓喜の涙を流したが、この手紙には続きがあり迎えに第二王子を向かわせるという一文が皆の涙を引っ込めた。


「第二王子まで来させるとは…ガラガ国王は何を考えておるのだっ!」


アルベール国王は理解に苦しんだが手紙には直ぐに向かわせるとあるので今から拒否の返事をしても間に合わない。

唯一出来るのは歓迎の準備と送別会の準備だけ。“奴らはもうすぐいなくなる。”という合言葉を胸に皆が慌ただしく動き始めたのだった。


滞在中に使用人や婚約者のいる令嬢に関係を迫るわ横柄な態度を取るわ好き勝手していた第一王子ルデウスの評判は悪く、その家臣の態度も悪かった為にアルベール王城内外でガラガ王国の評判は地に落ちている。

誰も第二王子には期待を抱いていない。

期待はしていないが情報は必要なのでアルベール国王はルデウスを呼び第二王子について聞いてみた。


「弟君とは初めて会うがどのような事を好むのかな。」


「そうですね…レイバンは出来た弟です。利発で行動力が有り剣の腕も我が国一です。

私の足元には及びませんが外交的で愛想も良いので、きっと陛下もお気に召すかと思います。」


「そ、そうか。」


ルデウスはそこから永遠にレイバンの話を挟みながら自分がいかに凄いかを話しアルベール国王の好感度をグングン下げて強制退場させられた。

同席していた宰相は今後のガラガ王国との関係は考え直さなければならないと現在の取引の縮小を考え始めた。

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