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「諸君!僕は今の国の体制に不満を持っている!!アルベールは大国だ。全ての人々に裕福な生活をさせるのは難しい事は分かっている。

しかし!それを改善していくのが王族であり、貴族達の責務だ!!だが、皆の目にはどう見えているだろう。皆はどんな仕打ちを受けたであろうか!」


何とも過激な内容を叫ぶ少年に野次が飛ぶ。だが少年は怯まない。

護衛なのか少年を囲むようにして五人の兵が壁になり睨みをきかせているが、数の暴力で来られれば役に立たない。


「なんという無謀な…。兵がついているという事は彼も貴族でしょうに。」


「凄い…あの子死にたいのかな。」


ヴィルーヴとユンギが関心する中、ユナとバーンは少年の容姿がグロースライダーと瓜二つである事実に頭が痛くなる。


「…あれ、間違いないよな。」


「そうね…。」


「教えてやるべきか?」


「…そうね。ハルバードに連絡しておくわ。」


四人がその場を去ろうとした時、チビライダーがカッと目を見開き四人の方へツカツカと向かってきた。


(えっ。何か勘づいた?!)


四人の中で秘匿情報が無いのはバーンのみ。警戒を強めるが表にそれを出さないようにそれぞれ平静を装う。

しかし、何故か突如口笛を吹き始めたバーンのみとても怪しい存在になり三人はすぐ逃げられるように身構えた。


チビライダーはユンギの目の前で止まるとユンギの右手を取りその手に口付けをした。


「美しい…君は僕の花嫁だ。名は何と言うの?」


「ユむぐっ…。」


素直に名を名乗ろうとするユンギの口をユナが押さえるとヴィルーヴが目眩しの煙を出しバーンがユンギを抱えて四人はその場から逃亡した。


チビライダーは煙にむせながら手を伸ばすが、その手は何も掴まない。焦りながら遅れてチビライダーの側にきた兵達は周りを警戒する。


「緊急手配を。この街から誰も出さないように。あと絵師を呼んでくれ。」


「ハッ!」


命令を受けた兵が走り出し他の兵はチビライダーの周りにいる人々に解散するよう叫ぶ。

チビライダーは四人が消えて行ったであろう方角を真っ直ぐ見据えて不敵に笑う。


「絶対に逃がさないよ。」


その呟きは逃亡中の四人の耳に入らなかったが悪寒としてその身に降りかかった。走って宿屋に戻った四人は入口で息を整え何事も無かったかのように中に入る。


「おかえりなさ~い!」


元気の良い声で挨拶され適当に挨拶を返すと取り敢えず四人でバーンの部屋に集まった。


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