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馬を失っていたユナ達は結局日暮れまでに次の街まで着けずに野宿する事になった。

適当に開けた場所を見つけるとユナは早速風呂をつくる。


「野宿に風呂…。」


「大切な事よ。さ、バーンとヴィルーヴさんは食料の調達をお願いね。」


二人を遠ざけ気配が近くに無いことを確認するとユナはひと息ついた。


「ユンギ、お風呂に入りましょ!」


まだユンギに結界と収納の事は知られたくないので結界は張らない。ただし警戒は怠ってないので問題は無い。


「喋れなくてごめんね。」


「大丈夫。あまり気にしてない。」


「後できちんとヴィルーヴさんに紹介するわ。お風呂に入り終わったら一度人の姿になりましょうね。」


「分かった。」


ユンギを綺麗にしバーン達の様子を見てきて欲しいとお願いするとユンギは了承して飛び去った。

一人になったユナはイヤーカフを操作してハルバードに連絡をとる。


「ユナ様。」


「今、話をしてもだいかしら。」


ユナはハルバードにヤンナとシンラの話をして訪ねてきたら対応をして欲しいと伝えた。

ハルバードから少しため息が聞こえた気がしたがユナは無視して早々に通信を切る。長話ししては三人が戻って来てしまうし、ユナは今無防備な姿なので戻って来る前に服を着て髪を乾かさなくてはいけない。


髪を乾かし終わるとタイミング良く小動物と果物を持ったバーン達が戻りユナは身支度が間に合いホッとした。


「お帰りなさい。」


「ただいま戻りました。」


「良い収穫だったぜ!」


「ありがとう。ご飯の準備をする前にやって起きたい事があるのだけど、座ってくれる?」


バーンとヴィルーヴは手に持っていた物を地面に置くと円陣なる様に座った。少し緊張した空気の中、ユナはヴィルーヴを見つめる。


「仲間になってと私から言ったけれど、ヴィルーヴさんをそのまま信用するには危険だからちょっとした契約をさせて欲しいの。」


「まあ、普通に考えたらそうなりますよね。むしろ安心しました。死神の目、回収してましたよね。」


「アレは使わないわ。」


「本当にお優しい…。」


ヴィルーヴはポケットから腕輪を一つ取り出し自身の腕に嵌めた。カチッと音がした瞬間に腕輪から小さな魔法陣が浮き上がる。


「我は永遠の忠誠を誓わん。この血を持って執行とする。ちょっと失礼します。」


「え?」


ヴィルーヴはユナの左手を取るとナイフで人差し指の指先を切り血を腕輪にはめ込まれた宝石に吸わせた。

宝石が緑から赤に変わり魔法陣が消えるとヴィルーヴなニッコリ笑う。


「これで、私の主は生涯殿下だけです。」


「まったく……なんで皆ポケットに物騒な装飾品をしまうの…。」


バーンはそっと顔を横に向けてユナからの熱い視線に耐えた。

そんな二人にヴィルーヴの頭の上にはクエスチョンマークが浮かんでいたが無視してユナは話を進めることにした。


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