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ユナに城の様子を聞かれヴィルーヴは何から話そうか迷った。それはもう色々な事が起きており全てを話すには時間がかかりそうだ。


「主に何が知りたいのでしょう。」


「全部よ。」


「それは…。」


「情報は宝。ヴィルーヴさんの持つ情報は国宝級でしょ。」


ニッコリ笑うユナにヴィルーヴはため息をつく。話さないという選択肢がないのだからこんな座り心地が悪い場所に移動を希望すると、ユナもバーンも了承する。

街から出て道の脇に入るとヴィル―ヴは挿木と剪定でフカフカの椅子を三つ

用意して腰を下ろすように促した。


「便利だな…。」


「座り心地抜群ね。」


「お褒めに預かり光栄ですね。」


落ち着いたところでヴィルーヴは懐から水晶を取り出す。水晶(それ)を地面に放ると水晶はその上に城を映した。


「これは庭師の子飼いの鳥を通して映し出した現在のガラガ王国の城です。」


「普通の城だな。」


「え?どういう事?」


ユナはバーンの言葉に驚いた。

ユナの目には外壁が黒の水玉模様になった城の姿が写っている。


「流石、殿下は素晴らしい眼もお持ちだ。城には今偽装の魔法がかかっています。殿下が居なくなってからの城の様子を鳥の記憶で見ていきましょう。」





~ユリアーナ追放直後~


「どういう事だ。儀式は終えた、そう報告があったのは記憶違いか。」


「ははははいぃぃ!確かにユリアーナ様は核に触れておりました!最後はお倒れになられ…。」


「では何故、魔力が少ししか増えておらん。アレの魔力はこんなものでは無いはずだ。」


怒れる王に司祭はただただ平伏した。

司祭には核の魔力残が分からない。その為、王自らが核の確認に来てみればこの有様だった。


「もう良い。お前には失望した。新しい司祭が決まるまで牢で過ごすがいい。」


王は兵に合図を出すと泣き叫ぶ司祭を下がらせた。改めて核の残が半年程しかもたない事を確認した王はその場を後にした。



それから暫く日常が続き、王と二人の王子の顔色がどんどん悪くなっていく。ある日の謁見の間が映し出されると第一王子のルデウスが王に膝まづいていた。


「父上…我等はもう限界です。ユリアーナはまだ見つかりませんか。」


「隣国で目撃情報があるがまだ捕まらん。」


「お前達が核に振れるようになり暫く経ったが保つ事しか出来ておらん。回数を増やすか検討が必要だ。」


「そ…そんな…。」


青い顔を更に青くしたルデウスがフラフラとその場を後にする。

一人になった部屋で王はため息をついた。


「男女が逆であれば……何事も上手くいかぬものだ。」


王は呟きまたため息をついた。

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