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「ではユンギをお願いします。」


「ええ、二人も気をつけて。」


洞窟の前でヤンナとシンラに別れを告げユナとバーンとユンギは歩き出した。正確にはユンギはユナの肩に乗っている。


昨夜、シンラからユンギの首の文字を消す許可をとったのでシンラに消してもらった。するとポンッという音と共にユンギの身体が十五cm程に縮み背中に羽が生えた。


「消えた?!」


「バーンに見えなくなっただけね。彼女達妖精の血を引いてるのよ。」


「お爺様が妖精です。」


「は?!」


面食らい口を全開にするバーンの反応にシンラはこれが正しい反応だと頷く。

久しぶりの妖精の姿にユンギは嬉しそうにクルクルと飛び回りヤンナが羨ましそうに眺める。


妖精は通常人間には見ることが出来ない。しかし、全ての人間がそうという訳ではなく、波長が合うか特別な目を持っていれば視認する事ができる。

生活圏が被っていれば珍しいで済むが、人間が踏み入らない地に住むと言われ殆どの人間が存在を確認できないので空想上の存在として実在しているとは信じていなかった。


「ユンギが見えているのもですが、ユリアーナ殿下は何故妖精について知っているのですか。」


「ドラゴンの友達のところにたまに妖精が遊びに来ていたの。」


「なるほど…」


「ハッ!」


意識が帰ってきたバーンが固まった顎を戻したながら真剣な表情で質問した。


「妖精は人間とどうやって子供をつくるんだ?」


ここにいるのは全てのが女性でユンギはまだ幼い少女だ。そんな中で投下された爆弾は処理先を見失っていた。

顔を赤くしたシンラが無言でユナに視線を送るが同じく顔を赤くしたユナも言い淀む。


残るヤンナは腹を抱えて大爆笑しているので答えるつもりはないようだ。


仕方がないのでユナがこっそりバーンの耳元で言葉を選びながら教えるとバーンは一言「妖精やべぇ…。」と呟いた。



そんな一悶着もありつつ迎えた朝、ユナとバーンとユンギは次の目的地に向かって歩き出したのだがバーンには今現在もユンギが見えていない。


声も聞こえていない様なのでユナとしてもその内見える様に何か作りたいと思ってはいるが、その前にユンギに色々と口止めしてから作業しなくてはいけない。


ユナの仮面についてもきちんと三人に口止めし、今は再度装着している。

予定通り西へ歩を進めていくと少しずつ人とすれ違うようになって来たので、ユナはユンギに人前では小声でしか会話は出来ない事を伝えユンギも頷いた。


暫く歩くと次の街の門が見えてきた。


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