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ヤンナが目を覚ましたのは日が沈んだ後だった。バーンの顔を見るなり恨めしそうに睨みつけたがシンラがそれを窘める。


「ヤンナお姉ちゃんご飯だよ。」


ユンギが皿に盛られたスープを持って来たのでヤンナは起き上がると受け取ってユンギの頭を撫でた。


全員の食事が終わるとユナは本題を切り出した。


「私の願いは貴女達の協力。もちろん教会の助力も欲しいのですが。」


「私達の事はともかく、それは私共の領分を超えています。」


「分かっています。まずは話を聞いて。

ガラガ王国の腐った聖職者の処分をお願いしたいのです。」


「「詳しく。」」


シンラの中では亡命の手伝いか教会の保護を願われるくらいだと思っていたが身内の不祥事となれば断る選択肢はない。

ヤンナは何となく直感で面白そうだと思っているのか食いつきが良かったがユンギはいまいちピンと来ず反応が無かった。


「城で働く聖職者がほぼ買収されてそうなので追い出して欲しいのです。証拠も幾つかあります。残念な事に買収してるのは王か王妃なのでそっちを処分したら新しくクリーンな方を紹介してもらえたら助かります。」


「今サラッと怖い事いいませんでしたか……」


「シンラお姉ちゃん、私お城で働いてみたい。大丈夫。魔法使わないしバレるような事はしない。危なくなったらすぐ逃げる。」


「ユンギ、お城は警備が厳重でそんな簡単に入り込める場所じゎないわ。まだ三回しか経験の無いユンギには荷が重い。」


ユンギは残念そうに俯いたがシンラはこればかりは折れる訳にはいかないのでそっと頭をなでる。


「入り込んでる知り合いがいるからユンギでも大丈夫か聞いてみましょう。」


「え?なんでそんな知り合いがいるんですか。一応城の主の一人ですよね。」


「細かい事は気にしないで。それで、どうかしら。」


「…一度大司教様に伺ってみないとお返事できません。まずは私からお話してみます。」


「受けちまえばいいのに。」


シンラはヤンナを睨みつけるが全く気にせずにヤンナは剣の手入れを始める。


「一緒に教会の本部に行っても良いのですが懸念もあります。私達は旅を続けるので返事はアルベール国のグロースライダー殿下に連絡して下さい。」


「そんな伝ありません!」


「話は通しておきます。もし不安があるならユンギは預かりますよ。」


シンラはため息をつきながら腹をさすった。ユナの言う不安にシンラは心当たりがある。自分とヤンナならまだしもユンギには対処出来るか怪しい。


「……宜しくお願いします。」


「もしもの為にユンギの首の文字消しても良いかしら。」


「……そこまで気づいてましたか。そうですね、分かりました。」

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