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男と老婆が居なくなった後、ユンギも一度居なくなったが直ぐに牢に戻ってきた。手には湯桶と手拭いを持っている。


「清めに来た。」


「その湯、俺にくれよ。」


「…後で持ってくる。」


「仕方ないな…絶対だぞ?」


見張りは渋々ユンギを牢の中に入れた。

ユンギは前回同様に氷の壁をつくるとまずはユナに服を脱ぐように言った。


「いやいやいやいやバーンとの間も仕切ろうよ!」


「二人は恋人同士でしょ?」


「違うからっ!」


ユナの全力否定によりバーンは心に大ダメージを負った。しかしバーンとしてもユナに物理的に殺されたくないのでユンギに仕切るように進言した。


「ユンギ、私は勝手にやるからバーンだけ綺麗にして。」


「湯桶はひとつしかないよ?」


「私は身体を綺麗にする魔法が使えるのよ。」


「そうなんだ。確かに…最初から綺麗だった。」


ユンギはユナとバーンの間を仕切るとバーンに服を脱ぐように言った。

一方ユナは牢の中が狭いので湯船をつくる事は諦めて空中に水球をつくった。水球をお湯にするとその中に入る。牢の中は冷えたので湯の温かさに癒されながら身体を綺麗にした。


湯浴みを終えたユナが服を着て水球を消すと、タイミング良くバーンとの間の氷の壁が消えたのでユナはユンギへの合図を決めなかった迂闊さを後悔しつつ消える前に服を着て良かったと心から思った。


「…なんか色っぽい。」


「な?!」


「そのままだとあの男に襲われる。」


お風呂上がりのユナは頬が上気し表情もいつもより柔らかい。バーンも少しドキッとしてしまう存在だ。


「怖いこと言わないでよ…」


「確かにユナは色っぽくていい匂いしそうだけど俺以外の男が近づくのなんて見逃すわけないだろ!」


「「……。」」


女子二人からの冷めた目はバーンに突き刺さったがバーンは負けることなく胸を張る。


「アレはいいの?」


「良くはないけど…どうにもできないもの。」


ユンギとユナはやれやれとため息をつきバーンから視線を外した。ユンギがユナに背を向け氷の壁を消そうとした時、ユナはユンギの項にある刺青に気づいた。

(かわる)】に見覚えが無く、何を意味するかユナには分からない。


「どうかした…?」


「いいえ。私、ユンギを信じてるからね。」


ユンギはニコッと笑い氷の壁を消すと牢から出ていった。

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