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ユナとバーンは現在、小さな村で囚われていた。

通り道にあったので宿があればと立ち寄っただけだったが、着いた瞬間に村人達に取り囲まれ縄でぐるぐる巻きにされたのだ。村人に手荒に運ばれ村の端につくられた牢に転がされ見張りが一人ついている。


逃げる事は簡単だが何故この様な目にあわなくてはいけないのか全く分からないので一先ず大人しく縛られている。


「この村の歓迎の仕方は随分手荒なんだな。」


「ふん、何とでも言え。どうせお前らは直ぐに死んじまうんだ。巫女様がちゃんと死に魂を鎮めてくれるから有難く思え。」


見張りから話を聞くのは無理そうだと判断したバーンは大人しく別の誰かが来るまで待つ事にした。

ユナは怖がってバーンに擦り寄ったようにみせながら後ろに隠れると、見張りに幻覚をみせる魔法を使った後に自分の縄を風魔法で切る。


素直に怖がるユナを守らなくてはと思っていたバーンがそんな期待をした自分を心の拳で全力で殴りつけてユナを守っているように見せかけつつ警戒していると、老婆と少女が近づいてくるのが見えコソッとユナに耳打ちした。


「ご苦労。」


「はっ!勿体なきお言葉です。」


見張りが頭を下げるのをみて老婆が偉い立場にいると確信したバーンは情報を引き出す為に行動に出た。


「おい婆さん、村の客人にコレは失礼じゃないか?」


「コイツ…巫女様になんて口を!」


「おやめ。小僧、そんなに焦らなくてもあんたらの末路くらい教えてあげるさ。」


不敵に笑った巫女様と呼ばれた老婆の一歩後ろで少女が両手の拳に力を入れたがその場の誰も気が付かなかった。


「あんたらは素晴らしいタイミングで村に来てくれた。明後日この村では恵をくださる神の為の祭りが行われるんだ。神使(しんし)になれんだよ。光栄に思いな。」


神使が何か分からないけどきっとろくでも無い事に決まっているからさっさと逃げよう。ユナとバーンの思いは一つだった。しかし、それを読んでいたかのように老婆は付け足した。


「その牢は力でも魔法でも壊せない。あんたらが逃げたら村人から神使を選ばなくちゃいけないからね。見張りにも何を言っても無駄だよ。ユンギ、この二人の身を清めておきなさい。」


「はい。」


老婆は高笑いしながら去って行った。

老婆と共に来た少女は老婆が去るのを確認して門番に声をかけると自ら牢に入る。

少女に体当たりして逃げようかと考えたバーンだが少女がすり抜ける位の隙間しか開かないようにされている出入口をみて今行動を起こすべきでは無いと何もせず大人しくし、縄を切ってしまっていたユナはあわてて魔法で縄を自分に巻き付け縛られているようにみせた。

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