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デビルバーンが優しく囁く。


「こんな無防備なユナそうそうお目にかかれないなぁ。し・ちゃ・え・よ。プルンプルンの唇が誘ってんぞ。」


(くっ…俺はそんなつもりじゃ…)


「バーン、お前はイケメン高ランク冒険者の肩書きを持つ高スペック男だぞ?最近はユナの神スペックの陰に隠れてはいたが、お前はモテ男だ!お前に落とせない女はいないっ!!」


デビルバーンの言葉はバーンの胸をあつくさせた。

意を決してユナの頬に触れようと手を近づけるとデビルバーンは「それでこそバーンだ!!」と興奮した様子をみせる。しかし、そこで「させてまたるか~!!!」とエンジェルバーンがデビルバーンを体当たりで吹っ飛ばした。


「バーン、お前自分が恥ずかしくねぇのかよ!ユナはバーンを信じてこんな無防備晒してんだぞ?そんな女に無理やり何しようってんだ。クソがっ!」


(全くその通りだ…)


バーンは予定通りユナの右耳に雫の形をした瑠璃色の石揺れるイヤリングをつけた。


「え?何??」


バーンに触られて驚かながら目を開けたユナの前に全く同じイヤリングを掲げるバーンは得意げな笑顔で「お揃いな!」っと言った。

ユナが右耳に触れてイヤリングの存在を確認している間にバーンも右耳にイヤリングをつける。


「お揃いの物つけてると仲間って感じするだろ?…って言うのは言い訳だな。ただの独占欲だっ!ハルバートに先を越されたけど!!」


少し照れて耳が赤いバーンは落ち着かない様子でユナの反応を待つ。

時々不安そうな顔をするバーンが何だか可愛くユナは吹き出しそうになるが、バーンに怒られそうなので何とか堪える。


「ありがとう。」


その一言と向けられたはにかんだ笑顔でバーンの心は隅々まで満たされた。


心の底からデビルバーンに負けなかった自分を褒め、エンジェルバーンに感謝しながら絞り出すように「おう…」とだけ言うと、バーンはもう少し飛ぶ練習をしてくるとその場を後にした。

ユナは何も無いところで躓きながら歩いていくバーンが可笑しくてニヤける口元を右手で隠しながらバーンに手を振り見送った。


「バーンが居てくれて良かったって…素直に言えるかな……やっぱりまだ恥ずか死ぬかも…」


一人悶えながらユナはまた満天の星空を眺めた。


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