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バーンが自力で戻ってくるまでに集中して幾つか付与が出来たユナはご機嫌だった。しかし戻ってきたバーンは少し涙を浮かべながら「俺の恐怖がわかるか?!」と長々とハードモードの空の旅の感想をユナに聞かせご機嫌斜めだ。


「ちゃんと説明を聞かないバーンが悪いんでしょ?いらないなら…「いらないとは言っていない!」…」


ユナは仕方ないなとバーンに使い方をきちんと教える事にした。

バーンのブーツはユナの靴と違い跳躍、飛翔、猛進の三つのボタンがついている。戦闘能力の高いバーンなら使いこなせば戦力増強になるはずだとユナなりに考えてつけた機能だ。

先程バーンが猛スピードで空に打ち上げられたのは跳躍と猛進のボタンが押されていた事が原因だった。


「なんて危ない機能をつけるんだ…。」


「使いこなせば凄く便利でしょ?跳躍と飛翔を使えば空中でステップを踏むことができるし、飛翔と猛進を使えば猛禽類より早く飛べるわ。」


「…ちょっと練習してくるわ。」


ニヤニヤしながらバーンを見送ったユナは一息ついて星空を眺めた。

城にいる時もよくバルコニーから星を眺めていたが今みる星は輝きが無限の未来を示しているようでより一層輝いてみえる。


「もうあそこには戻りたくないな…」


ポロリともれた言葉はユナの心からの願いでとても弱々しい。いつもは何も気にしてないように振舞ってはいるが、心の中では追っ手に怯え早く諦めてくれる事を願っている。バーンにそんな姿を見せないのは成人したばかりの少女の小さなプライドだった。


そろそろ休もうとユナの元に戻ってきたバーンは、ボソッと呟かれた言葉を耳にしてしまい自分の腕の中に包み安心させてやりたい気持ちをグッと抑えた。


「あ~つっかれた!!でも少しはマシになったぜ。」


「お帰り!流石に身体能力高いね。」


バーンはユナの隣に座ると「珍しく優しいな。」とユナの頭を撫でた。

いつもなら手を払い除けているところだがユナは何となくバーンの手を受け入れ甘んじて撫でられる。何となく二人とも黙ってしまい焚き火の音だけがパチパチと響いていたが、耐えきれなくなったバーンがユナの頭から手を離し口を開いた。


「少し目を閉じてくれないか。」


ユナはバーンの言葉に従って瞼をとじた。

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