表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
55/108

55

空に溶け込みそうな程美しい色に翼を軽やかに上下し優雅に飛ぶその姿はまるで空の王。

何も侵される事がないその姿に見蕩れていたユナは洞窟の入口で罠にかかった瞬間の変貌ぶりを忘れる事は無いだろう。





「恐い!無理!気持ち悪い!」


「気持ちは分かるが落ち着け!結界が破られる事は無いんだろ?」


「そういう問題じゃない!あんなん迫ってきたら普通に恐いでしょ?!」


「……ドラゴンは平気なのに…」



現在、ユナとバーンは猛攻を結界で防ぎながら攻撃のタイミングを見計らっている。


遡る事数十分前。罠にかかった瞬間、フワモコロンは先程までの優雅さを失いギョロロロロ~と怒りの声を上げて疾風で罠を切り裂くと、優雅で美しいその姿を捨て去り漆黒の瞳を真っ赤に光らせ黒いオーラを纏う。

辺りを見渡しユナとバーンを見つけ敵だと判断するや否や再びギョロロロロ~と鳴き声を上げ、直後に空の彼方から長い触覚を持つ黒光りした(それ)が二体飛来した。


「な゛…何あれ気持ち悪い…」


「はいユナちゃんお勉強ですよ~。アレはホームステイって言って単体では行動せず仲間か別の生物と協力関係を結ぶ魔物で~す。図鑑にも載ってたはずだが。」


「ホームステイ…確かに載ってたけど文字のみだったわ……」


ユナと同じくらいの体長のフワモコロンに対してホームステイはその半分程の大きさだが感じる恐怖はフワモコロンより格段に上だった。


「ホームステイはともかく頑丈だから頑張ろうな。」


そうして今、フワモコロンは疾風と自身の羽根を矢のようにして飛ばしてきてホームステイは結界に体当たりを繰り返している。


「バーン何とかしてよ!」


「ん~どっちもそんな強くないからユナでもいけるはずだ。」


「強い弱いじゃないの!!」


「これも大切な経験だろ?あ、火は無しな。」


助ける気がないバーンにイラつきながらユナはホームステイをいかに自分から遠ざけて処理するか悩んだ。そして思い付いた。見えなければ良いのだと。


「消え失せなさい。地中深くに!」


ユナはホームステイの足元の地面を底なし沼の様に柔らかく変化させた。

足を取られたホームステイが飛ぶ前にユナは蔓で縛り上げそれを防ぎ、全身がスッポリ見えなくなると地面の状態を戻す。


「これで出てこられないでしょ。」


「生き埋めとか残酷だな…」


ユナはバーンの言葉は無視して残ったフワモコロンを睨みつけた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ