5
「ここが冒険者ギルド…かな。」
扉を開けて中に入るとカウンターにたくさんの人が並んでいる。
カウンターは用件事に分かれているようで、ユナは登録と書かれたカウンターに向かった。
「あの、冒険者登録したいのですけれど…。」
「冒険者登録?ここは商業ギルドよ??冒険者ギルドは隣ね。」
「え?!すいませんありがとうございます。」
ユナが恥ずかしくて顔を真っ赤にしながら立ち去ろうとすると、受付嬢がユナを呼び止めた。
「貴女、冒険者になるつもりならついでにこっちも登録しておきなさいな。素材や宝石類の買取りもうちでやってるから。」
「そうなんですか?」
「ええ、もちろん専門店でも買取りはしてくれるけど、最初の内は素材の善し悪しの基準が分からないでしょ?専門店にいきなり持って行くと買い叩かれるわ。」
「なるほど。」
ユナは先に商業ギルドで商人登録をする事にした。
登録は簡単なもので、名前と店舗の有無と登録料として銀貨1枚支払いうと直ぐに登録証が発行された。
「この登録証は冒険者ギルドでの登録にも使えるからあちらで提示してね。
この登録証はギルド内で売買する時や街に入る時など色んな場面で必要になるから無くさないでね。お財布機能もあるからお金入れたくなったらギルドの端にある機械で操作して、商人の文字の横のアルファベットは商人としてのランクでつまりは信用度ね。Aが一番上でG一番下、最初はGスタートだけど普通の取引を重ねていけば上がっていくわ。質問が無ければ説明は終わるけど大丈夫?」
ユナは一度頷き登録のカウンターを離れた。そして、早速買取りカウンターで持っている小さめの宝石をいくつ出してみた。
ユナの感覚だと一粒銀貨7~10くらいだと思っていたが、小粒の割にカットが綺麗でマイナス点が無いとの事で一粒銀貨15程で買い取って貰えた。
手持ちも増え懐が暖かくなったユナは、当初の目的の冒険者ギルドに入った。
冒険者ギルドは商業ギルド程人は居らず、閑散としていた。
受付カウンターの数も受注、依頼、買取り三つのみで登録の文字がない。
仕方がないので依頼のカウンターに行ってみる。
「あの…冒険者登録したいのですが…。」
「登録ね。どのカウンターでも受付てるから大丈夫よ。」
「よかった…。」
「何か身分証はある?」
「商業ギルドの登録証があります。」
「貴女商人なの?」
「いえ、間違えて入って登録しておいた方が良いと言われたので…。」
「そういう事ね。それにうちのギルドの内容も入るからちょっと借りるわね。ちなみに、貴女戦えそうな姿してないけどジョブ希望は?」
「一応剣士になりたいなと…装備はこれからですが……。」
「そうね……ジョブはいつでも変更できるし講習もあるわ。適正が知りたかったら今検査できるけど。」
「剣士で大丈夫です。」
受付嬢は少し呆れた顔でユナを見ながらも身分証を後ろの機械にセットして操作をする。
数分で作業を終え再び戻ってくると身分証を返してくれた。
身分証には冒険者Eと追記がされており、どうやら登録が出来たようだった。
「登録自体は終わったわ。身分証無くすと再発行に金貨1枚かかるから気をつけてね。」
「高っい!!」
「それ程重要って事よ。じゃあうちのシステムのお話をするからきちんと聞いていてね。」