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「なんで…何で何で何で何で!!!殿下の指に指輪が無いの!!」


先程までとは打って変わり激しく苛立ち怒声をあげるレベッカ。

その激しさにハルバートが少し後退りバーンが引いている。


「殿下がつけないならこんな指輪(がらくた)意味ないわ!!」


レベッカは指輪を抜こうと引っ張るが指輪は全く動かない。


「その指輪、特別製なんです。」


ユナの言葉に反応してレベッカはユナを睨みつけた。するとユナは自身の右手をレベッカに見せつけながら万遍の笑みを向けた。


「特別製だから私を主にする事も出来てしまうんですよ。」


「お前何かに従ってたまるか!この指を切ってでも指輪を外してやる!!」


怒り狂うレベッカに対してユナは全く動じない。むしろ煽る様な顔でレベッカの怒りを増幅させているくらいだ。

ハルバートはレベッカがユナを注視している隙にレベッカの腕に腕輪をはめた。

腕輪をはめられたレベッカはそれを抜こうとするが抜けない。


「その腕輪も抜けませんよ。」


「外しなさい!」



今にも掴みかかりそうな顔でユナを睨みつけるレベッカは付けていたカメオを強引に取るとユナに投げつけるがそれを綺麗に避けられ自分にもう投げられるものは無いか探す。

これ以上は危険と判断したグロースライダーはレベッカを再び牢に連れていくように兵に指示し、兵は激しく抵抗するレベッカを引きずりながら連れていった。


「殿下!殿下!!」


叫ぶレベッカにグロースライダーが応えることは無く、レベッカは強制退場させられ、部屋からレベッカが居なくなると全員が肩の力を抜いた。


「「「「…怖かった……」」」」


「俺…女恐怖症になりそう…」


「バーン様、私も同意見です…」


「二人はまだ良いだろう…僕なんて元婚約者だぞ…」


「「お疲れ様です。」」


取り繕われていない女性の狂気の姿を目の当たりにしたバーン、ハルバート、グロースライダーは心に大きなダメージを負った。


「どうかあの腕輪で改心しますように…」


「そういえば、あの腕輪は何だったんだ?」


「眠ると被害者達のされた事を追体験ができる腕輪よ。」


「そんな便利な物があるのか…」


「無いから作ったの。ハルバートに姿を隠すマントの製作者を紹介してもらったのよ。素晴らしい体験だったわ!」


「ユナ様を教えた者も絶賛しておりました。百年に一人の逸材だから是非この道を極めて欲しいとコレも預かっています。」


ハルバートは一冊の本をユナに手渡した。中をパラパラと見たユナは目を輝かせ小躍りして喜び本を収納にしまった。



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