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彼女達のおかげで10人いた婚約者候補は婚約者になる頃には2人まで減らすことが出来た。

特別何もしなくても居なくなった子もいるから全部に手を出した訳では無かったけれど、最初の方に居なくなった子達は婚約や結婚できているのだから恨まれてはいないと思う。毒も盛っていないし。


私が毒に手を出したのは婚約者に昇格する話が出てからだからきっと3人くらい。

婚約者になってからはいきなり湧いたのがいたからもう覚えてないけれど…


公爵令嬢は左手の薬指にはまる指輪を右手でそっとなでた。

その表情はまるで恋人から初めてプレゼントをもらった女性のように恍惚としたものだったがその瞳の奥はとても暗かった。





同じ頃、グロースライダーの執務室でユナ、バーン、グロースライダー、ハルバートの四人は後処理について話をしていた。


「ユリアーナがあのような事を申し出るとは意外だった。」


「私は聖人君子ではありませんもの。やられた事はやり返します。まぁ、私はすぐに自分で解毒したからそこまで被害にあってないのだけれど。」


「「十分過ぎる!」」


「そういえば、この指輪はどうやって取れば良いのだ?」


「取れません。」


「「「え?」」」


キョトンとした表情のグロースライダーにユナはバツが悪そうに顔を背けた。

バーンとハルバートは主従の指輪について詳しく知っているのでユナが何故取れないと言ったのか理解が出来ない。

ユナはとても言いづらそうにしながらも口を開いた。


「殿下、私に主の権限を与えると宣言して下さい。」


「あ、ああ。私はユリアーナに主の権限を与える!」


グロースライダーの言葉に反応して指輪は光を放ちユナの右手中指に指輪のタトゥーが入った。


「通常は主の放棄宣言で双方の指輪は取れます。けれどそれは私の魔力を流して変質させたので、殿下が認めた者も命ずる事が出来る指輪になりました。このタトゥーがその証です。」


「つまり殿下の采配により主が無限に増えるという事でしょうか。」


「その通り、このタトゥーは刻まれた者が放棄宣言をすれば消えます。しかし、殿下の場合はタトゥーの持ち主が全て放棄した上で宣言しなければ指輪は外れません。そして私は絶対に放棄しません。」


「何故だ?!」


「あんな怖い令嬢を野放しにするとか無理です。」


「なるほど…それなら絶対に取れないな。」


グロースライダーは頭を抱えた。

装飾品の一つとしては禍々しく、貴族社会の中では有名な指輪が自身の指についている。しかも相手は元公爵令嬢で婚約者。

秒で宜しくない噂話が広がるに違いない。

グローブをすれば隠れはするが彼女との縁が切れない現実は変わらない。


「私に生贄になれと…」


「とりあえずフラインゲティッシュ元公爵と令嬢に秘匿する事を早急に誓約させましょう。令嬢には適当な理由をつけて常に手袋を付けてもらえば何とかなります。」


「殿下、私に考えがあります。数日辛抱下さい。」


「ハルバート…任せたぞ!!」

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