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彼、殿下の婚約者候補になった私の日常は厳しいものとなった。

マナー以外にもダンス、歴史、言語、領地についての勉強も加わり休憩時間などほぼ無く出来が悪ければ睡眠時間や食事の時間が削減される。

だけど私は彼に会う為ならと耐えて一つずつ確実にものにしていった。


初めて会った日から二ヶ月後、婚約者候補を集めたお茶会が開かれ、私は再び彼に会える事が嬉しくてマリーゴールドの花を髪飾りにして参加した。

貴族としての地位が高い私は彼と近い席に座る事を許された。


「フラインゲティッシュ公爵が娘、レベッカと申します。本日はお招き下さりありがとう存じます。」


私はまたあのキラキラした笑顔が見られる事を期待して彼に挨拶をした。

スカートをつまみ頭を下げ彼の言葉を待った。


「…ようこそ、フラインゲティッシュ公爵令嬢。本日は楽しんでいってください。」


顔をあげると目の前にあるのはあのキラキラした笑顔では無くつまらなそうな顔をした彼の姿だった。


(え?なんで??前はあんなに…)


挨拶を終えて席に着いても気づかれないように彼の顔を見るが目は合わないし挨拶にくる他の令嬢にも興味がなさそうで私は悲しくなった。


(本当は会いたくなんて無かったのかな…)


お茶会が始まっても彼は一定の時間一人ずつ全員と会話した後は静かに座っているだけだった。


沈んだ気持ちでお茶を飲んでいると、隣のテーブルの令嬢がいきなり叫び声をあげた。


皆が一斉に注目する先には紅茶のカップを持った令嬢と紅茶のシミの着いたドレスを着た令嬢がいた。


「何事ですか。」


「殿下!助けて下さい!!彼女が私は殿下に相応しくないから帰れって掴みかかろうとしてきて…私、怖くて咄嗟に手に持っていた紅茶を…。」


「ち、違います!彼女が私は殿下に相応しくないから帰れって紅茶をかけてきたんです!!殿下、信じて下さい!!」


彼は顔を顰めて汚い物でも見るような目で彼女達を見詰めていたが、彼女達は彼の足元まできて訴えかけた。


「皆の交流の場になればと思っていましたが…今日はこれでお開きにしましょう。貴女方はご両親に迎えに来ていただきますので別室で待っでいてください。」


彼女達は彼の傍に控えていた従者に連れられその後城での集まりで見ることは無かった。


(ああ…なんて馬鹿な子達。でも、こうやって減らせばいいんだ。)


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