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門番の声で前に進むと槍で一旦止められる。
身分証の提示を求められるがユリアーナには身分証が無い為銀貨3枚を支払い仮の身分証を発行してもらい入国した。
「仮の身分証は三日間のみだ。その間に正式な身分証を用意するように。身分証には金を貯める、支払いをする機能がつくが、仮の身分証にはそれが無いから買い物の時は現金対応か確認するように。」
やっと街に入れたユリアーナは急ぎ宿を探す事にした。
宿屋は基本的に現金対応ができるらしくどこも入口の横に現金対応可の貼り紙をしていた。
裏通りやあまり安い宿だと防犯に不安を感じたので表通りにある比較的栄えている宿を探し歩き続けると、何やら騒がしい一角があった。
「おいおいこの宿は客にきちんとした食事も出せない上に言い掛かりをつけるのか~?」
「言い掛かりをつけてるのはアンタだろ?食事に虫を入れるわウチの娘の身体を触るわ最低だねぇ。」
「ハッ。ババアがこの俺に失礼な口をききやがって、ちょっと痛い目みなきゃ分からないか。」
男は剣を抜いて店主らしき女性に剣を向けた。
ユリアーナは黙って見ている事ができず、男の死角からドロップキックを喰らわせる。
男は倒れ、完全に伸びており剣を向けられていた女性は驚いて目を見開いていたが、大声で爆笑した。
「あんたやるねぇ。助けてくれてありがとう!」
「いえ。出過ぎたまねして申し訳ありません。」
「いや助かったよ。なんかお礼させとくれ。」
「本当にお気になさらず、ところで部屋を借りたいのですが…。」
「ん?お客さんだったのかい。部屋は空いてるから大丈夫だよ。受付はあっちだからついてきな。」
女性は伸びた男を片付けるように他の店員に指示すると受付に向かった。
「ここに名前と人数を書いとくれ。料金は前払い、素泊まり一泊が銀貨3枚で風呂は部屋にシャワーがある。食事は朝が銅貨3枚昼と夜は銅貨5枚、弁当は銅貨4枚だ。私はここの店主のヘレンさ、助けてくれたお礼に朝食はサービスするよ。」
「ありがとうございます。お世話になります、ヘレンさん。」
ユリアーナは渡された紙の名前にユナと書いた。
紙を渡しとりあえず五泊分の料金と夕飯代を支払い部屋の鍵を貰った。
「今から食べるかい?」
「はい、いただきます。」
空いてる席に座り一息つくと、暖かい料理が運ばれてきた。
それをたいらげると部屋に入り今後の予定を確認する。
次の日、朝食を食べ終えたユナはヘレンに早速冒険者ギルドの場所を聞くと早速ギルドへと向かった。