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ユナはバーンの背中の治療をしながら公爵令嬢に対して抑えられない怒りを感じていた。

自分勝手な理由で人を傷つけてきた事もバーンに怪我をさせた事も許せない。ユナはバーンの背中を治したら絶対に公爵令嬢に仕返ししてやると一番ダメージを与えるのは何かグルグル考えていた。


「ごめんなさい…」


「謝るなよ。好きな女守れたんだから最高だろ!むしろ魔法使わせてごめん…」


「バカ!こういう時に使わないで何の為の力よ!!」


服は元に戻らないがバーンの肌から赤みが無くなり綺麗になるとユナはホッと一息つき撫でて綺麗に治った事を確かめた。


「良かった……」


バーンはユナに触れられている背中に全神経が集中しているのではないかという程ドキドキしながらも頭を振り何とか切り替える。


「た、助かった!それよりアレどうするんだ?」


「そんなの…もちろん躾てあげなきゃいけないでしょう…」


背中から漂う冷気にバーンは恐る恐る振り返る。すると笑顔なはずなのに全く笑っていないユナからドス黒いオーラが見え恐ろしさからバーンはサッと目を背けた。


「大丈夫、魔法は使わないから。」


ユナはバーンのポケットに手を入れると二つの指輪を取り出した。


「ユナ?!」


「殿下!コレを指に!!」


ユナはグロースライダーに指輪を一つ投げつけた。


(ユリアーナから指輪のプレゼントだと?!我が人生に一遍の悔いなし!!)


グロースライダーは疑いもせずにユナの投げた指輪を大きさの合う右手の中指にはめた。

それを確認したユナはニヤリと笑いもう一つの指輪に公爵令嬢の指にはまるように魔法をかけた。


「な、なに?!」


スルリと左手の薬指にはまった指輪に動揺した公爵令嬢は自身の左手を確認した。ハルバートはそれを好機と公爵令嬢の手を払い小瓶を床に落とした。


「クッ…」


「大人しくなさって下さい。」


段々距離を詰めるハルバートを睨みつけながら公爵令嬢はドレスの袖から隠していたナイフを取り出す。


「まだよ……」


ナイフの刃がハルバートに向きハルバートの足が止まった。


「殿下、彼女にナイフを離すよう命じて下さい!」


「え?あ、ああ…」


「ふっ…離すわけがないでしょう?」


「そのナイフを床に置きなさい。」


「え?」


公爵令嬢はグロースライダーの言葉通りに持っていたナイフを自身の足元に置いた。


「な、なんで?!」


自分の意志とは関係なく動いた身体に困惑しながらもハッと自身の指にはまる指輪を見た公爵令嬢は「まさか…」と震えながら小さく呟いた。

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