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縛り上げたメイドから記憶を読み終わったユナはメイドのポケットを探り鍵を取り出した。


「バーンが部屋に閉じ込められてるから呼んできて。」


そう言って一番近い位置にいるメイドに鍵を渡すと鍵を受け取ったメイドはパタパタと走って行った。ハルバートも近くにいたメイドにグロースライダーに知らせに行くように指示する。


「ユナ様、この件が誰の差し金かお心当たりがお有りですか?」


「そうね…このメイドは私側の厄介事ではないから殿下が来てから話した方が良いわ。」


ユナのその言葉でハルバートは何か思い当たった様子で残るメイドの一人に指示し何処かに向かわせた。

部屋から出たメイドと入れ違いにバーンを呼びに行ったメイドが戻り、メイドの後ろからバーンが飛び出てきた。


「ユナ!無事か?」


「心配ないわ。毒は抜いたから。怪我も無いしね。」


「無事なら良かった…てっきりあのバカ王子が俺の部屋に鍵をかけたのかと思ってたが違ったんだな。」


「誰がバカ王子だ。」


「……居たのか。」


「今来たんだ。ユリアーナ、すまなかった。無事で何よりだ。」


どさくさに紛れグロースライダーはユナに抱きつこうとしたがそれはバーンによって阻止される。ユナはやれやれとため息をつきながらグロースライダーを睨みつけた。


「殿下、この件は貴方のせいですからキッチリ落とし前つけて下さいね。」


「どういう事だ?」


「先程縛り上げたメイドの記憶を確認しました。」


「「え。そんな事が出来たの?」」


バーンとグロースライダーが驚きすぎて間抜けな顔をしている中、騒ぎの中部屋にいた面々は全員に触れた理由が分かり青ざめた。


「まあ、そんな些細なところは良いのです。」


周りの人間にとっては全く些細な事ではなかったが、話が進まないので仕方なく突っ込むのをやめて大人しくユナの話を聞くことにする。


「この件の首謀者ですが、私側の問題では無く殿下、貴方の問題です。フラインゲティッシュ公爵令嬢…」


ユナの口から出た名前にグロースライダーは目を見開いた。ハルバートは予想していたようであまり動揺が見られない。


「もっと注意するべきだった…すまない。」


「ん?どういう事だ?そのフライ何とか公爵令嬢が犯人て事か?」


「そうね。犯人なんだけど私だと知って狙った訳じゃないのよ。正確には殿下に近づく女性が狙われたの。」


ユナはフラインゲティッシュ公爵令嬢と面識があった。

とは言っても仲良くお話するとかではなく公式な交流の場で一方的に絡まれる厄介な相手としてで、自分から関わりに行ったことは無い。


見た目十二歳くらい、オレンジブロンドの髪にクリクリとしたダークブラウンの瞳をしたとても可愛らしい令嬢なのだがグロースライダー愛が半端ない。


グロースライダーのダンスパートナーはぶつかられたりドレスを汚されたりして一曲まともに踊らせてもらえないし会話しているといつの間にかグロースライダーの隣におり早々に切り上げさせる。


「会いたくないわ……」


すでにハルバートが手配をしていた為ユナの呟きも虚しく数十分後、フラインゲティッシュ公爵と令嬢セットで対面する事となったユナだった。

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