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現状把握が出来たところでユナとバーンはハルバートに礼を言って今後の方針を話し合う事にした。


ガラガ王国が全力で捜索しているのであればバーンとの目撃情報はすでに得ている可能性が高い。そこから足取りを辿るのは容易だろう。

資金はあるのでやはり遠方の依頼を受けて街に近寄らないようにする事が得策のようだが、先程バーンの愛剣をガッタに預けてしまったので代わりを探すか早々に返してもらうかしなくてはならない。


「まずはガッタのところか……。」


「いいや、まずは休息だろう。ユリアーナ、君の好きなアクアパッツァを用意するようになっている。風呂にはレモンとカモミールを浮かべるよう指示してある。今日くらいゆっくり休息を取るべきだよ。」


「殿下…今後一切ハルバートに私の趣味趣向生活的なものの報告をさせる事を禁止します。ハルバート、私に関連する物全て回収するから吐きなさい。ひとつ残らずです!」


そこからの行動は早かった。

グロースライダーが泣き叫ぶ中ハルバートがテキパキと書類やら思い出の品やらをユナに渡していき、ユナはそれ等を収納していく。

菓子の包み紙等もありゴミとしてゴミ箱に入れようとしたがグロースライダーが拾う気満々で結局収納に入れて後で自分で燃やす事にした。


「酷すぎる……。」


結局、執務室の本棚は五分の三が空きグロースライダーの自室に関しては九割がユナに関連する物だった。


「もう記憶も消せないかな…。」


「それだけはご勘弁下さい!廃人になってしまいます!!」


「いや、既に別の意味で廃人だろ。ストーカーなんて生易しい。」


激しく落ち込むグロースライダーを無視してハルバートに泊まる部屋まで案内してもらったユナとバーンはいつもより広く快適な部屋で夕食までゆったり過ごす事にした。


二人を案内したハルバートがグロースライダーの元に戻ると部屋を出る前と同じ格好で落ち込んでいる。


「まだ落ち込んでらっしゃるんですか?」


「うるさい!裏切り者め。」


「私にも良心はあります。一番大切になさっている物は残したのですから立ち直って下さい。」


ハルバートは本棚から一冊の本を取り出すと表紙を開く。開かれた本は真ん中がくり抜かれており、中には真っ白なハンカチが一枚入っていた。


「そのハンカチまで取られたらお前を一生呪いそうだ。」


「それは恐ろしいですね。そうなったら私はユナ様のお供でもしましょう。世界一安全そうです。」



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