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「ユリリンやっとあの糞家族と決別したんだって?良かったね!!」


「ありがとう。本当に無事に出てこられて良かった。最近会いに来れなくてごめんね~。」


バーンはユナという存在に呆れていた。

自身の二倍はあるドラゴンに対してかなり気さくに会話し魔法も明らかに上級のものが使えて見た目も美しい。


「俺の女運は有るんだか無いんだか……。」


疎外感を感じながらバーンがユナを見つめていると後ろでドスンと音がした。


「ふむ。男も共に参ったか。」


「フォルム様、本日はお招きありがとう存じます。」


先程までドーラと和気あいあいと話していたユナは態度を一変させて礼儀正しく挨拶をし頭を下げた。

バーンも慌ててユナの隣に行き頭を下げると、フォルムは顔を近づけ大きく息を吸った。


「匂う……。」


バーンは身を起こして自身の匂いを嗅ぐが全く分からない。

失礼なドラゴンだなと少しムッとすると、ユナが収納からドリリアンを取り出した。


「どうぞお納め下さい。」


ユナがフォルムにドリリアンを渡すと、脇からドーラが顔を出し自分の分は無いのかと強請った。

ユナはドーラの分のドリリアンを収納から出して渡すと、ドーラは嬉しさのあまりその場でステップを踏んだ。


「ドラゴンって踊るんだな…。」


「ドーラくらいだと思うよ。」




その後、次々とドラゴンが集まりだしユナは新しいドラゴンが来る度に話しかけられていた。

バーンはやる事も無いのでその場で座り込みボーッとしていると、気をつかったのかドーラが隣に座った。


「今日はユリリンが心配で付いてきたの?」


「まあ…流石にな。」


「ユリリンはねぇ9歳の頃からここに来てるから皆仲良しだよ!安心した?」


「9歳?!そんなガキの頃からって怖がられたりしなかったのか?」


「「可愛い~!」って抱きついてたわ。」


「大物かよ。」


ドーラはニヤニヤさしながらバーンの耳元に口を近づけた。


「貴方、ユリリンが好きでしょ。」


「ああ。好きだよ。」


少しくらい照れるかと思われたバーンは潔くハッキリと言葉にした。

からかってやろうと思っていたドーラとしてはとても残念だったが、迷いないその言葉には好感が持てた。


「どいうとこが好きなの?」


「見た目は可愛いし行動力があって努力家なところとか?」


「そうなの!ユリリンはすっごく努力家なのよ!!」


ドーラはユナの良いところを延々と語った。バーンは話を聞き流しながら笑顔でドラゴン達と話すユナをずっと見つめていた。

何も無い空間に数えるのも嫌になる程多くのドラゴンが集まった頃、フォルムの音頭で宴が始まった。


各々酒や珍味やら様々な手土産を持って来ており、それらを口にしながら楽しそうに交流し始める。

ユナはドラゴン達との話を切り上げ一度バーンの元に戻ってくると、ドラゴン達からもらった酒をバーンに手渡した。

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