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パンクジャズ  作者: 林広正
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 心配しなくてもいいよ。俺だってさ、危険は犯しているからね。文明以前の本を調べること自体がこの世界では禁止されている。っていうか、その文字を解読しているなんてバレたら俺の命はないんだ。スティーブにはちゃんとその辺のことは言い聞かせているよ。あんただって同じだろ? まさか、この会話が筒抜けってことはないよな?

 そいつの心配はごもっともだ。俺だって不安だった。だからこそ、深入りをしない会話を心がけていた。しかしそいつは、案外遠慮なしの会話をしていた。俺を信頼していたのか、ただのバカなのかのどちらかだ。まぁ、ただのバカなんだと言いたいが、その両方ってとこが真実だな。文明以前の文字をバンド名に冠して世界に配信した俺の方がよほどの大バカってことだ。

 俺はちゃんと、スティーブに言い聞かせていたよ。この世界は厄介だ。全てが監視されている。まぁ、スティーブってのはそのために開発されているんだから仕方がない。しかし、裏道はいくらでもある。少しの改造をし、危険な言葉を監視の対象外にするなんて訳のない動作なんだ。俺とそいつの会話は、大事な部分が別の言葉に差し替えられ、監視している誰かに送られている。まぁそれは、永続的じゃないってのが欠点なんだけどな。それに加えて、監視している誰かってのも定かじゃない。

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