表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
パンクジャズ  作者: 林広正
13/102

13


 世界は広いようで、狭いんだよな。そして、驚くような奴が大勢いるもんだ。俺が世界に流した音源を、そいつが耳にした。そいつはすぐに俺へと連絡を取ろうとした。

 スティーブの通信機能は素晴らしいんだ。見知らぬ相手から連絡が来ると、その相手の情報を先に表示してくれる。年齢も経歴も、どの町からなのかは当然として、その相手の出生までが表示されるんだ。俺は驚いたよ。そいつもまた俺と同じように、音楽を復活させていたことがわかったからだ。遠く離れた日本と呼ばれる島国で、自らバンドを組んで音楽を表現しているという。俺はすぐに、そいつからの連絡に応じた。そしてさらに、驚きを増すこととなった。

 ライクアローリングストーン、聞いたよ。その言葉には最初、意味がわからなかった。間の抜けた俺の顔がそいつに見えていたはずだ。そいつはすぐに、驚きの顔を見せてくれたよ。なんていうか、その顔もまた、間抜けだった。俺たちはそろって間の抜けた顔を見せたんだ。初対面でな。まぁ、現実の出会いじゃないのが救いだったな。通信での出会いは当てにしないってのが俺たちの世界での常識だからな。相手の表情や感情は伝わるが、その心は伝わらない。声を聞いてもやっぱり、面と向かって話さないと心を通じさせるのは難しい。まぁ、何度も顔を合わせている相手だと話は別なんだけどな。

 ひょっとして、違うのか? そう読むってはずなんだけどな。あの文字、あんたのバンドの名前だろ?

 そうだけど、そうなのか? 俺の言葉はやっぱり間が抜けている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ