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パンクジャズ  作者: 林広正
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 文明以前の形のある本を読むと、正直頭が痛くなる。文字が滅茶苦茶なんだ。色んな種類が混じっているように感じられる。噂では、当時は国や地域によって言葉も文字も違っていたそうなんだよ。それがいつの日にか、ごちゃ混ぜになっちまったのかも知れないな。俺の持っている形のある本は、まさにそんな感じだよ。

 この世界の言葉は、共通されている。文字だってそうだ。文明以前の形のある本の中の文字とはまるで違う形だよ。色んな種類があるにも関わらず、どれ一つとして似ていない。俺たちがまるで別の文化に育っていると感じるほどだ。まぁ、ある意味でその通りなんだけどな。

 俺たちの世界にも、文明以前の時代を研究している学者はいる。裏の世界でだけではなく、表立った世界でもな。その文字の解読を試みたり、その時代の文化を研究したりしている。どうして町や国の名前が当時のままなのか? その疑問からは様々な謎が浮かんでは解決され、文明以前の時代を知る手がかりになっているんだ。その文字だってな、解読した奴がいるって噂を俺は知っているよ。まぁ、そいつの言うことはデタラメばかりで信憑性は小さいんだけどな。とは言いながらも、俺はそいつから文明以前の言葉を学んでいたりするが、それは本来秘密なんだよ。

 俺たちのバンド名は最初、文字だけだったんだ。Like a rolling stone.なんて読めばいいのかわからないだろ? けれどこの文字感がいいんだよな。俺たちはこの文字の元に活動を始めたんだけどさ、バンド名を名乗れないっていうのは苦しかったよ。取り敢えずは音源を製作して世界に流したんだ。それ以前には俺の爺さんの家の地下室で演奏をし、仲間連中の知り合いやらに純粋に音楽を届けていた。

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