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第7話 城下町で


 気づいたら、私は自分の村に立っていた。


 ああ、またこの夢……。



 村が焼かれてから毎晩見る夢。



 一人ぼっちで村に立っていて、辺りは血と炎で赤色に染められている。



 私の人生が狂った最初の日、その日の最後に見た記憶だ。




 もうっ……こんな夢、見たくないよっっ!!




 早く覚めてよ!!!!!!!








 そう強く思うと、私の意識はどんどん薄れていってーーーー



 「 ……っっっ!!」


 飛び起きた。


 起きてまず目に入ったのは、見知らぬ天井。



 「 ……ここは?」


 「 来客用の寝室です。」


 「 っ!?だれ!?」



 誰もいないと思ってたから、まさか答えが返ってくるなんて思ってもいなくてビックリした……。



 目を向けると、そこには落ち着いたメイド服を着た、ピンク色の瞳と髪の毛をした、ショートカットの女の人が目に入った。



 よく見てみると、昨日扉の前に待機していたメイドさんの1人だ……。



 えっと、そのメイドさんがなんでここに……?


 というか私はなんでここに……??


 思い出さない方がいいのはきっと気の所為じゃないはず……。



 「 失礼しました。私はサニィと申します。シア様の城下町での住居と保護人が見つかるまで、シア様の専属メイドとなりました。よろしくお願い致します。」



 「 ……は、はぁ……。」



 ちょっとまってねー、えっと、このサニィさんは私の何っていった?専属メイド??


 私、そんな専属メイドが付くような重要人物じゃないんだけど……。



 「 住居と保護人が決まるまでは魔王城のこの部屋がシア様のお部屋となります。」



 ましてや、一時だけとはいえ魔王城に住まわせて貰えるような人物でもないんですけど…。



 「 今日は住居を探しに行きますので、準備が出来次第、お声をお掛け下さい。」



 「 は、はい……。」



 「 お洋服はあちらのクローゼットにありますので、シア様の好きなお洋服をお選びください。」



 服まで用意されてる!?


 これ、下手したら普通の人より贅沢してるんじゃ……。

 一般人より贅沢のできる生贄って……。



 生贄の定義がわからなくなってきたよ……。



 そんなことを考えながらも私は、指定されたクローゼットに手を伸ばした。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




 クローゼットの中にあった、1番シンプルであろうワンピースを選んで着て、私は部屋を出た。



 そう言えばサニィさんは準備が出来たら呼んでくださいって言ってたけど……、どこにいるんだろう……。



 「 準備が出来たようですね。では、行きましょうか。ついてきてください。」




 !!??



 いつの間に後ろにいたの!?


 ねぇ待って、ねぇ、全然気配感じなかったんですけど……。


 私気配探知は得意なはずなのに……。




 ……魔族の人達の前では、やっぱり人族の力って足元にも及ばないんだなぁ……。



 私は、改めて魔族の規格外さを実感しながら、サニィさんの後ろをついて行った。






 城下町は沢山の人がいて、とっても賑わってた。


 露天を出して物を売る人、それを見に来る人達、その他にも沢山の人達がいて、私は案の定、街のこの様子に慣れているのかサクサクと進むサニィさんとはぐれてしまった。




 ううう……、ここどこ……?どうしてこうなったの……。




 人で賑わっているとはいえ、知ってる顔が全く無いし、年齢も種族も違う人達に囲まれてたらちょっと怖い……。




 とりあえず、人の波に埋もれない所に移動しなきゃ……。




 小走りで人の少ない所に行こうとしていた私の耳に、2人の女性の声が聞こえてきた。




 「 ねぇ、あの子って……。」



 「 今年の生贄、ね。」



 「 まだ子供なのに。可哀想に…。」





 …もう私のことが知れ渡ってるの?



 情報網が早いなぁ……。


 うぅ、このままここにいると私が生贄だって気づく人が増えそう……。


 早く離れよう……。





 あんまり注目されるのは好きじゃない私は、少し足を早めて、人のいない路地へと入った。





 ここなら、あんまり人がいないし、遠くから人波を見れるから人を探すのも楽そう。




 そうして、私はサニィさんを探し始めた。



 すると、思ったより早く人波の中からピンク色の髪の毛をしたメイドさんを見つけることができた。



 よーく位置を見定め、サニィさんに向かって駆け寄ろうとしたその時───





 腕を、掴まれた。



 えっ──?



 「 人族、掴まーえた!」


 「 よし、よくやった。」


 「 しかも見てくださいよアニキ!こいつヘ目の色が違う、いわゆるテロクロミアってやつでっせ!!こりゃあ高く売れますよ!!」


 「 ちぇ、じゃあ今回はお楽しみなしかぁ。」


 「 そんな落ち込むなって、また機会はあるさ!」





 振り向くと、そこにはガタイのいい男が、5人いた。



 彼らは下卑た笑みを浮かべながら私を見ていた。




 売る……?私を…………?



 突然のことに頭が真っ白になって何も考えられなくなった私の頭は、男達の1人が縄を取り出したことで、考えるのを再開した。




 いけない、逃げなきゃ───!!!




 完全に忘れていた。



 私は魔王様の言葉を思い出す。




 魔族は、人族を見下したり、忌み嫌っていたりしていない───「一部を除いて」




 つまり、一部はいるということ。



 彼らは、その一部なんだ。



 捕まったら何されるか分からない…。




 何とか腕を振りほどこうにも、人族と魔族。ついでに大人と子供。振りほどけるわけがなかった。



 「 あー、もう、めんどくせぇなぁ。」



 暴れる私に向かって、男が手をあげる。




 殴られるっ───



 そう思った私の直感は、いい方向に裏切られた。



 「 大人しくして─── 」



 「 とうっ!!」



 「 へぶしっ!!?」




 …………え?



 手を振り下ろそうとしていた男の顔が、明後日の方向を向いた。



 男は、顔に靴裏の跡を残しながら倒れて行った。





 突如、男の顔面に飛び蹴りを食らわした人物は、地面に降りるなり男達をビシッと指さしてこういった。




 「 筋肉のおじさん達!!悪いことしたらメッだよ!!」




更新不定期です。


今回は、区切りのいいとこで終わらせようとしたので少し短めになっております…。

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