表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/23

第1話 魔界への道で


 ガタガタと音をたてながら、1台の馬車が暗闇の中を走り続ける。



 その馬車の中には、人影が3つ。


 1つは、剣と鎧を装備した大柄な男。

 1つは、杖とローブを装備したスタイルのいい女。


 そしてもう1つは、薄汚れたボロボロの服を着て、手足や首を鎖で繋がれた少女。



 その3人が乗った馬車の目指す先は、 魔界ーー






 魔界とは、魔族の王である魔王が支配する土地のことを指す。

 故に、踏み入った人は二度と帰って来れないと恐れられている。



 そんな場所に人族の馬車が向かう理由なんて、1つしかない。



 そう、この馬車は、今年の生贄である私を魔王の元へと運ぶ馬車だ。

 






 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




 「 くっそ!! なんで俺がこんなことしなきゃなんねーんだよ!! 」


 「 仕方ないでしょ! これから冬になって依頼の質も報酬も下がるってのに、あんたが、装備を買うために借金したんだから!! 」


 「 だからってこの依頼はないだろ!? 」


 「 報酬がいいのはこれくらいしかなかったのよ!! 」




 1組の男女の言い争いの声を聴いて、私の意思は覚醒した。



 気絶する前に、男に、鎖の音がうるさいと理不尽な理由で殴られた頬がズキズキと痛む




 「 大体生贄って王族の娘とかで、国のお偉いさんが連れていくって感じじゃねえのか!? なんで奴隷のガキを俺ら冒険者が依頼として魔界なんかに連れていかなきゃなんねえんだよ!!? 」


「 そんなの知らないわよ! 国が魔王なんかに捧げるものは奴隷で十分って判断したからじゃないの? 」




 私は、生贄であり、奴隷でもある。




 私の住んでいた村は、辺境にあった。

 私はそこでみんなと、家族や友人、村人達と楽しく暮らしていた。



 けど、そんな楽しい日常は突如として終わりを告げた。



 「 とある事件 」が起きて、村は壊滅し、何故か私だけが生き残った。



 そんな事件が蔓延る世の中で、辺境の子供一人の知識で生活できるはずもなく、私はあっさりと盗賊たちに騙され、奴隷として売られた。



 そして、奴隷商人の所で生贄と格付された。





 どうして……こうなっちゃったんだろう……





 ふと、馬車の天井を見上げた時、





        チャリッ




 首元の鎖が、音を立てた。



 まずっーーーー



 頬に走る衝撃と激痛




 「 うるせえっつってんだろうが!!! クソガキが!!! 」



 

 また、やっちゃった……

 ついさっきまで、同じ理由で殴られて気絶してたって言うのに……



 「 鎖の音は嫌いだっつってんだろうが!! まだわかんねぇのか!!?? 」



 男は執拗に顔を殴ってくる。

 過去に何かあったのか、ただ苛立っているだけなのかは分からない。



 「 ちょっと! やめなさいよ!! 引き渡しの時にそれが傷ついてるの見て、魔王が怒ったらどうするのよ!? 1番最初に殺されるのは私たちよ!? 」


 「うるせえっ! 俺に指図すんな!! それに、その事ならお前が回復魔法かければいいじゃねえか!!! 」


 「 いやよ!! 魔力だって無限じゃないんだから、こんな奴隷に回復魔法なんて勿体なくて使いたくないわよ!! 」


 「 っっ〜!! チッ!分かったよ! やめりゃいいんだろ、やめりゃ! 」





 顔が、痛い……いたい……いたい……痛いのは……やだよ……




 結局私は、また気絶してしまった。



更新遅くて申し訳ない上にお知らせです…

書きだめをしたいので次の更新さらに遅くなりそうです……

気長にお待ちください……(◞‸◟)


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ