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第15話 訓練③

ひっっっさしぶりの更新です……


 女の人──そう言えば名前聞いてなかったな…──と別れてから時間もちょうど良かったし、私はお城に帰ってきた。


 あ、もちろんルクスさんは近くを歩いていた警備兵(?)さんに任せてきた。



 それで、お昼から訓練のはず、なんだけど…、訓練所にいればいいのかな?


 とりあえず訓練所で待ってみることにする。



 すると、訓練所には既に1つの人影──レヴィリアさんがいた。


 あれ?レヴィリアさん1人……?



 「 シアちゃん、こんにちは♪」


 「 こ、こんにちは、レヴィリアさん。」


 「 カイナちゃんは緊急のお仕事が入っちゃったみたいだから、今日は私の担当の魔力操作の訓練をしましょ♪」


 「 ……はい。」



 レヴィリアさんと1対1の訓練か……


 大丈夫……だよね?

 魔力登録のときみたいなことにはならないと信じたい……。



 「 よろしくお願いします。」


 「 まっかせなさい!」


 「 まずは、シアちゃん、自分の魔力を感じることは出来るかしら?」


 「 はい、出来ます。」


 「 あら、…そう言えば生活魔法は使えるんだったわね。」


 「 ほんとに基礎的なものだけですが……」


 「 大丈夫よぉ♪魔法が使えるということは、魔法を使う上で1番躓くところがクリア出来てるっていうことだから。それだけでだいぶ教える難易度が変わるのよ。」



 そうなの……?



 「 じゃあ、魔弾を作るところから始めましょうか。」



 魔弾……、魔弾って確か魔力そのもので作った弾の事だよね……、それを相手にぶつける技……。


 そんなイメージをしながら、魔力を体外に出して魔弾を作る。


 ……………出来た?



 イメージをするにあたって、余計な情報を脳に入れないために閉じていた目を開いてみる。


 すると、私の目の前には白色のちょっと凸凹とした玉がふよふよと浮いていた。



 これ出来てるの……?



 「 ちょっと不恰好だけどちゃんと出来てるみたいね。魔力の体外放出の維持は問題ないみたいだわ。」


 

 不恰好……


 凸凹してるからかな……



 「 次は魔力を体に纏うんだけど…、これは私も手伝った方がいいわね。」



 するとレヴィリアさんが私の肩に手を置いた。



 「 他人の魔力を操ったり、奪ったり、自分の魔力を与えたりする時は接触していた方がスムーズにいくのよ♪覚えておいて損はないわ。」



 そうなんだ……………………ん?


 ……今レヴィリアさん私の()に手を置いてるよね。


 …………もしかしなくとも、魔力登録の時も肩に手を置くだけで良かったんじゃあ……



 「 待ってください、なんで魔力登録の時キスしたんですか。肩とかに触れるだけで良かったんじゃないですか!?」



 思わず言ってしまった。


 するとレヴィリアさんは唇をペロっと湿らせて、



 「 粘膜接触の方がよりスムーズにいくのよ♪」



 って妖艶な笑みを浮かべながら言った。



 ……これは、これ以上触れちゃいけない話題な気がする、いや、触れちゃいけない話題だ。


 私の勘がそう言っている。



 早く話題を逸らさなきゃ。



 「 そ、そうなんですか!!えっと、それより魔力を体に纏うってどうやるんですか!!?」



 するとレヴィリアさんは雰囲気をいつもの雰囲気に戻してくれた。


 よ、よかった……



 「 魔弾を作る時と同じよ。自分の体に魔力を纏うイメージをするの。最初は薄く体を覆うイメージをするといいわ、慣れてきたら形を作ったり、色を付けたりしてみましょ♪そうねぇ、最終目標は魔力で服を作ることにしようかしら。」



 ふむふむ……、魔力で体を覆うイメージ……


 目標は服を作ること……。


 魔力ってイメージでそこまで好き勝手に出来るんだね……。



 そんなことを考えながら、レヴィリアさんの言ってた通りのイメージをしてみる。


 すると、今度は魔弾の時のようにはっきりと見えたわけじゃないけど、私の体の周りをぼやぁっとした魔力が覆った。


 問題無く出来たけど……、これってレヴィリアさんが手伝ってくれてるからだよね…?



 そもそもなんでレヴィリアさんはまだ見てもなかったのにこの練習に関しては手伝うって言ったんだろう……。


 そばに居るしと思って、さっそくレヴィリアさんに聞いてみたら恐ろしい答えが帰ってきた。



 「 シアちゃんの魔弾、凸凹していたでしょ?あれからはね、魔力の圧縮が苦手ってことが分かるの。魔力っていうものは、外に出しちゃえば空気みたいにどんどん薄く広がっていくの。それを丸い形にする時は圧縮するでしょ?魔力の圧縮が苦手なのに体に魔力を纏う段階にいったらどうなると思う?最悪の場合、圧縮加減に失敗して自分の体を自分の魔力で押し潰しちゃうの。だから手伝ったのよ。」



 つまり、最悪の場合肉塊が出来上がると



 ……こっっわ!!??


 え、こっっわ!!!!???


 そんな恐ろしいことになる可能性があったのか……。


 いずれは1人でしなきゃいけなくなるんでしょ……?これ…………



 …………頑張ろ…。


 自分の魔力に押し潰されるのは勘弁だからね……。


 ちゃんと出来るかなぁ……。








 そんな心配もよそに、私は数時間後には1人で魔力で体を覆えるようになった。




 「 よく頑張ったわねぇ、シアちゃん。これだけ飲み込みが早いと教えがいがあるわぁ。でも、今日はここまでにしましょ♪魔力ももうほとんど残ってないでしょ?」



 本当はもうちょっとしたかったけど、レヴィリアさんの言う通り、もう魔力がほとんどからっぽでちょっとふらふらする……


 しょうがないかぁ……



 「 はい、ありがとうございました。」


 「 どういたしまして♪ゆっくり休んでしっかり魔力を回復するのよ〜!」



 ペコリと一礼してレヴィリアさんと別れる。



 ふと訓練所の上を見上げると綺麗な夕焼けが目に映った。


 ……まだ夕方か…。


 どうしよう、急に暇になっちゃった。


 いくら疲れてると言っても寝るには明らかにまだ早いし…、でもまた城下町に行くには遅いし……、うーーーーん……ん?


 あれは……、カイナさんと…………ルクスさんを背負い投げした黒猫種の獣人さん?


 少し離れたところを話しながらこっちに歩いてくる。



 「 おや、シア様。今日の訓練は終わったようですね、疲れ様です。」



 見てると、私に気づいたのかカイナさんが声を掛けてくれた。



 「 はい、ありがとうございます。…………あの……そちらの方は……?」



 思い切って聞いてみる。



 「 あぁ、こちらの方は旅商人兼請負人のコクウ様です。」


 「 朝にもお会いしましたにゃ!私はコクウ・テンラと申しますにゃ。『気まぐれの黒猫商店』を営んでおりますしがない旅商人ですにゃあ。商品の売買以外にも、依頼も請け負っていますにゃぁ。以後お見知り置きを、ですにゃ!!」



 旅商人兼請負人さん……なるほど…


 だから朝、投げられた銅貨を受け取ってルクスさんを投げ飛ばしたんだ……



 旅商人さんでもあったのか…


 どんな商品売ってるのか少し気になる……。


 そんなことを考えてるとコクウさんがいつの間にか紙とペンを持ってこっちを見つめてくる。



 「 宜しければお名前をお伺いしても宜しいですかにゃん?」



 「 あ、はい。シア・メイティルといいます。もしお世話になることがありましたら、その時はよろしくお願いします。」



 「 ぜひぜひ!!ご贔屓にして下さいにゃん!それと、こちらを渡しておきますにゃん。」



 そう言ってコクウさんは、親指と人差し指で輪っかを作ったときくらいの大きさの水晶玉を渡してきた。



 「 もし『気まぐれの黒猫商店』をご利用して下さる場合は、この水晶玉に魔力を通して話しかけて下さいにゃん。余程のことがない限りは直ぐに応じますにゃん。」



 ……?


 えーと、つまりこの水晶玉は遠く離れた場所でも相手と話すことが出来る水晶玉ってこと?


 何それすっごく便利。



 「 それでは、私はこれで失礼しますにゃん!」



 そう言ってコクウさんは城下町の方に向かって走っていった。


 忙しそう…、やっぱり、依頼とか多いのかな……



 ふと空に目を向けると、星が輝きはじめていた。


 結構話し込んじゃってたみたい。


 私も帰ろっと。



 カイナさんと別れて、借りている部屋に向かって足を進める。



 明日はもっと上手く魔力を扱えるといいな……。



 そんなことを思いながら、私は自分の足で部屋に向かっていった。



 カイナさんはまた、転移魔法でお送り致しましょうかと尋ねてきたけど遠慮しておいた。



 だって…



 あの人達(ファンクラブ)が怖いんだもん……


更新不定期です……

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