9話
ブックマーク有難うございます!
暑さにも負けず本日3話目投稿です。
よろしくお願いしますm(__)m
唐突に得た情報に狼狽える、周りに悟られないように冷静を装う。
(今のは・・・異界の錬金術?レシピ?)
錬金術という言葉に、少しテンションが上がる。
(だがまて、確認ってどうなるんだ?いきなり本とか出てきたらやばいよな・・・)
機械的な音声の言っていた、新しいレシピを確認するかどうか、本当は今すぐ確認したいが、NOと念じておく。
思いがけない成果に少しにやける。
とにかく、『鑑定』は使えるようだ、口に出す必要があるみたいだが。
試しに王女でも鑑定してみるか?
そう思い王女を見るが、アスティルが目に入り、先ほどの運転手の末路が思い出される。
(やめとこ・・・、てか自分にすればいいか)
誰にも聞こえない小さな声で、自分に向け『鑑定』を唱える。
Name: 高橋 勉
Race:人族
age:29
job:異界の錬金術師
Lv: 1
MP:200
Vit:95
Str:93
Int:110
Agi:92
Dex:105
Luc:99
Skill:【アイテムボックスLv1】【棍棒Lv1】【投擲Lv1】【隠蔽Lv1】
Unique:【異界の錬金術Lv1】【異世界言語】
脳裏に浮かぶ情報にほくそ笑む。
(あれ・・・鑑定とかないな?)
不思議に思うが、それよりも気になるスキルの詳細を確認する。
【異界の錬金術】:異界より召喚されし錬金術師が使う固有スキル。
あらゆる錬金術に関するアイテムを制作し、異界のアイテムですら生産する。
スキルレベルの上昇によりレシピを獲得する他、鑑定に成功した場合獲得する。
合成、錬金、抽出、彫金、分解などスキルレベルに依存する。
複合スキル :【インベントリ】【システムメッセージ】【完全鑑定】
「チーートキタコレっ!!」
思わず周回20週目にして、目当てのレアを引き当てたような、魂の叫びと共にガッツポーズした。
普段冷静・・・というより、感心などネトゲ―それも生産ランキングをいかに上げるかぐらいにしかない。
寝る間と仕事中は生産放置、仕事終わりに弁当を買い、食いながらネトゲ。
料理など時間がもったいないのでしない。
洗濯や掃除だって最低限で済ませる。
大学時代からはまったネトゲは、もはや麻薬のようなものだ。
こんな世界に来て諦めていたものの、この世界でも生産ができると思うと、脳がトリップするのも仕方ない。
先ほどからニヤニヤしていた男が、急に大声を出したせいで兵士達が警戒態勢を取っていた。
「あはは・・・す、スイマセン。」
平謝りしつつ辺りを見ると、遅れてやって着ていた生徒達も、こちらを呆れたような目で見ていた。
普段教師に感心などないくせに、上げ足取るときだけイキイキしやがる。
「おーい!ツッチー、なに勝手に優斗と一緒の馬車のってんだよっ!」
バカなギャル、神崎詩織が突っかかってきた。
「そうですよ。それとも何ですか?王女様狙いですか?あぁ気持ち悪い!」
こういう時は仲いいよね。それと一条美香「それともアスティル?」じゃねーよ、ぶっ飛ばすぞ。
「・・・いや、お前ら遊んでたじゃん、時間もったいないし。」
などと適当にあしらっておく、何故か委員長にも睨まれたが、まぁ気にしないでいいだろう。
俺が行った後、きっと二人を止めてくれたのだろう、なんと頼りになる子だろうか。
馬車が全部来たのを確認したのか、凛とした声で王女が先へ行くよう促す。
「では行きましょうか皆様。王城は広いですので、迷わないように注意してくださいませ。」
そう言いつつ先頭を歩く王女の後を、ぞろぞろと付いていく。
いよいよ、国王との謁見らしい。問題を起こさなければいいが・・・。
委員長・・・頼りになるいい子、だがまだ名は無い。