7話
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森はそれほど起伏もなく、足元は整備されていて歩きやすい。
運動なんて普段ほとんどしてないせいで、もうヘトヘトだが。
生徒達や王女は全然余裕そうだ、全身鎧を着ている騎士だってピンピンしている。
「ここはローレル大陸、南東部に位置するリンデン王国の王都ティヨル、
豊饒の大地とも呼ばれ、農耕による収穫量が多く安定していますが、
その反面、強力な魔獣が住まう地域や、魔物の発生が多い地域が多く、
未開発地が多いですね。」
土地がいいので作物が育ちやすいが、魔物も多いと、そうこう話しているうちに、
木で出来た柵が見えてきた。兵士らしい軽装の人達もいる。そしてその後ろには城壁であろう石壁が見える。
兵士達は少し驚いたような顔でこちらを見ているが、すぐにビッと敬礼をしてきた。
「お疲れ様です、姫様、・・・そちらの方々が?」
「ええ、そうです、すぐにお通ししなさい。」
きびきびと動く兵士達、残念臭が抜けた王女はやはり威厳があるな。
「この城壁は王城と貴族街を囲む物です、この裏門以外は普段開いていますし、
現在では王都全体を結界で守護していますので、あまり使われませんね。」
「結界ですか?」と委員長が尋ねる、話に飽きたのか、他の生徒達はもうカオスだ。
「はい、先ほど見た迷宮核を利用して、
王城を中心に半径50kmほどの結界が敷かれています、
魔物や魔獣の侵入を防ぎ、自然発生を抑えます。」
なんだか色々含みのある言い方だが、スルーしておこう、それが大人という者。・・・違うか。
「それは」・・・と委員長が尋ねようとしたところで、ガタガタと馬車が走る音が聞こえてきた。
全員が乗れるように急遽用意したのだろうか、豪華な馬車とそうでないのがある。
申し訳なさそうに、謝られたが、生徒達も別段気にした様子はない。
豪華な馬車に王女と勇者君、護衛で魔法使いっぽいアスティルとかいうやつ、
もう一つの席を廻る熾烈な争いが今、始まった。
「あなたのような臭い人と一緒なんて、優斗様が可哀想でしょう?」
「はぁ?!ふざけんなし!ブスは引っ込んでろし!」
言葉では終わらず、取っ組み合いの喧嘩に発展している。
周りの騎士達も、どうしていいか判らず困っているようだ。
その間に、さっさと乗ってしまおう。
「よろしいのですか?」と、さして興味なさげにアスティルに尋ねられた、王女は勇者に夢中だ。
「問題ないですよ。」
どうせ俺の言うことなんて聞かないしな、こっちの馬車のが揺れが少ないだろうし。
城門を抜けた馬車は、異国情緒溢れる街並みを抜け、王城を目指す。
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