5話
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騎士の案内に従い、白大理石で造られた神殿の中へと進んでいく。
神殿の中は明るく、細い板状の水晶のようなものが天井へと、螺旋を描くように配置されていた。
外の光を取り込んでいるのだろうか、キラキラと輝く光は暖かみを感じた。
「すげぇ」「綺麗・・・」「ヤバ!」
この時ばかりは生徒達も素直に感動しているようだった。大仏など見ても、こんな感動は無かっただろう。
その直下には1mほどはあるクリスタル、血のような濃い色ではなく、煌びやかな赤色をしている。
王女の持っていた、杖についていた物と、同じ物のように見える。
クリスタルを中心に魔法陣が描かれ、淡い光を放っていた。
(賢者の石・・・じゃないだろうな?)
よくある賢者の石の作り方――漫画やアニメの――を想像してしまい、冷や汗がでた。
「どうかしましたか?ツトム殿」
唐突に声を掛けられ、心臓がキュッとなる。
「あ・・・あれは、賢者の石ですか?」
思わず聞いてしまったが、恥ずかしい・・・29歳のおっさんが何を言っているんだろうか。
やめて、見ないで委員長っ。
ピクリと眉を動かし、訝しむ様なガイアス。
「賢者の石とは・・・錬金術の秘奧の名が出るとは意外だな?
・・・これは迷宮核、ダンジョンコアなどとも呼ばれるものだ。」
50階層以上の物だな、と付け加える。
「迷宮核ですか」
普通に出てきたダンジョンや迷宮という言葉に、現実味がない。
「ああ、その辺の事情についても後で説明するが、
迷宮核には魔力を蓄える性質がある、大地の龍脈、それに月や太陽からも、勿論、生物からもな。」
生物の部分で、解るだろう?と、試すような瞳をされてしまった。
生物には当然、人も含まれているのだろう。
・・・王女の言っていた、世界を救ってください、その言葉に嫌な予感しかしない。
俺の嫌な予感は、よく当たる。・・・まぁ面倒ごとは勇者君に任せよう。
お読みいただき有難うございます。
別作品も投稿中です!そちらもよろしくお願いします。