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40話

ブックマーク有難うございます!



 冒険者ギルドの訓練場のほうから歓声や怒声が聞こえる。


それらを無視して繁華街へと向かう、いつかいったバッファローのお店では、仕事を終え食事を楽しむ人々の喧噪が聞こえてくる。


「またあそこにいきますか?」


そういって指さすのは『金牛の杯亭』あのステーキは格別だった。


「いいね、あそこにしようか。」


本当は早く帰って、なぜポーションがアンコモンになっていたのか検証したい。


まぁとはいっても大体予想はできているのだが。


 大きな扉が特徴的な石造りの建物、魔道具の明かりで光に満ちている。


「この前より人多いな。」


「ですね。大盛り無料みたいだからですかね?」


壁に掛けられた料金表には、本日大盛無料!肉盛り増し無料!、と記した紙が貼ってあった。


 席に腰を掛ければ直に給仕の女の子がやってくる。


白のブラウスにワイン色のサロンエプロン、この国では珍しいふんわりしたスカート。


前に来た時と同じ、ミディアムツインテールの子だった。


「いらっしゃいませ!本日は大盛と肉増し無料でお得ですよ!」


「へぇ、すごいね。じゃステーキ定食の肉増しで。」


せっかくなので肉盛り増しを頼んだ。、ポチとミレアも同じ物を頼み、委員長はハンバーグ定食にしたようだ。


 かなり混んでいるというのに、5分も待てば木製のワゴンに乗せられやってくる。


「ッ!・・・うまい!」


ガツガツと肉を頬張り、サラダとスープも一緒になって味わう。


「この赤いソースはなんだろうな?・・・辛いの苦手だけど嫌な辛さじゃないんだよな。」


半分ほど残した肉に赤いソースを掛け、ゴハンと共に掻き込む。


「このお店のオリジナルソースですね。恐らくは迷宮産の何かを使用しているかと。」


辛さがスパイスになり食が一気に加速する。


「んぐ・・・迷宮・・・なんでそう思うんだ?」


同じ量の肉をパクパク小さな口で食べていくミレア、ポチは大口を開けて頬張っている。


「王城の料理人達も研究していましたが、結局レシピが判明できませんでした。未知の食材を独自に手に入れるなら迷宮しかありません。」


迷宮はロマンに溢れている、ということなのか?


まぁうまいことに変わりはないし問題ないなと結論づけ、適当な会話を交えながら食事を続けた。



 お腹がパンパンに膨れ動くのも億劫だが、眠気を振り切り検証へと移る。


宿の一室、簡易な机の上にポーションを出していく。


「鑑定・・・やっぱりランクが変わっているな。」


再度作ったポーションを確認するが、ランクはコモンではなくアンコモンだった。


「考えられる原因は二つ、Lvの上昇と素材が変わったことかな。」


ただLvの上昇はスキルレベではなく自身のレベルだ、あまり関係はなさそうである。


「やっぱ素材かな。」


スクロールの説明文でも素材が完成品のランクに影響する、という一文があったなと考えをまとめる。


素材と言っても水と瓶、それにエムル草だけだ。


「最初に使ったのは生のエムル草、終わった後は全部乾燥させたやつなんだよな。」


結局これぐらいしか原因が思いつかないため結論づける。


「となってくると、水も変えてみるべきだよな。」


口角を上げニッと軽い笑みを浮かべる。


「精霊水・・・石を依頼で出したけど、とりあえず素材屋で購入しとくか!」


上級ポーションでは治らない、と言われて少し気分がへこんでいたが、新たな希望が見つかりテンションが上がってきた。


「瓶?瓶はどうなんだろうな・・・」


ゲームでなら十分に考えられるが・・・。そう考えつつ後で要確認と頭の中で整理する。


「あー、そういえば依頼で手に入る草って生じゃん・・・」


整理するごとに出てくる問題点、とりあえず手に入ってから考えようとインベントリから他の素材も取り出す。


木材に亀の甲羅、水晶に属性魔石をとりだす。


「うーん、とりあえず木材でいってみるか。」


手ごろな大きさとはいいずらい、80cmほどの木材をどうにか必要な分に切りたいが道具がない。


「『彫金』は金属だけか?試して見るか。」


錬金術師ギルドで受付の青年が使っていた『彫金』、あの時は金属のプレートに名前を彫ってくれたが。


必要な魔力を手に集める、木材へと触れ包み込むように魔力が覆っていく。


「おお!なんか出来そう。このまま切断して分けてく・・・。」


切るというよりは分断するといった感覚で、必要な大きさに素材を分けることに成功する、思ったより魔力を消費したのか疲れがどっとくる。


「よし・・・、そしたらこれに水晶と・・・火の魔石でも混ぜてみるか。」


失敗して爆発とかしないよな?―そんなことを考えながら呪文を唱える。


『錬成!』


―――――――――――――――――

特殊アイテム:オシャレウッド眼鏡

ランク:コモン

軽さに優れる。

炎をあしらったデザインが秀逸。

装備効果:魅力+1

特殊効果:自動視力矯正

―――――――――――――――――


自動視力矯正:使用者の視力に合わせ自動でレンズの度を調整する。目が良くなるわけではない。



「オォォ!」


予想外の素晴らしい特殊効果に歓喜の声が漏れる、最近度が合ってなかったので嬉しい限りだ。


火の魔石を使ったからか、フレーム部分が炎をデフォルメしたデザインが施されている。


「ちょっと派手かな?」


若干赤みも帯びていて、黒髪にも合いそうだと気にしないことにした。


このまま残りの材料もやってしまおうと、各属性の眼鏡を作っていく。


「うーん、属性変えてもデザインが変わるだけ?魔石意外でもできるんだろうか・・・?」


+αの部分の検証も必要だなと思いつつ、残しておいたアレに手を掛ける。


「これは鼈甲とはいえないよなぁ。」


緑色のコケっぽいフォレストタートルの甲羅、1.5mほどあるそれを『彫金』で大きさを変えようとするが。


「う・・・デカすぎて魔力で包み込めない・・・」


どうやら魔力で包み込むことのできる大きさが『彫金』の条件のようだ。


Lvが上がって魔力が上がればできるようになるだろうか?それともスキルレベル依存か両方か。


後どうにかできそうなのは『分解』だけだ。


「しかし・・・分解ってなんだ?」


分解・・・ゲームではよくあるが、装備品を分解して素材を手に入れたりとか。


甲羅を分解したらバラバラになるんだろうか?


とりあえずやってみない事には始まらないと『分解』を試して見る。


手に魔力を集中し甲羅へと触れる、その状態で呪文を唱える。


『分解!』


手に集められた魔力は呪文と呼応し、激しい発光と共に甲羅を覆いつくす。


そして甲羅は光の粒子となって消えていった。


「んん?・・・あれぇぇ・・・」


まさかの超攻撃スキルに唖然としつつ、魔力不足による強制寝落ちへ。
















お読み頂き有難うございます。

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