35話
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石造りの倉庫のような建物、『アーロンの素材屋』にやってきた。
今回来たのはマナポの材料とタバコの葉が欲しいのだが、タバコの葉は無かった。
マナポの材料であるタルク草を20束買占め、瓶200個とエムル草も乾燥させた物を20束購入した。
タルク草はエムル草の倍の1束2000コルト。売値が9500コルトと買値が6000コルトと高いのでお得だ。
まぁ売るためではなく、レベ上げの為に使うつもりなんだけど。
厳つい顔の店員に見送られながら、素材屋を後にする。
(毎日大量に買っていったら、マズイか・・・?)
王都は錬金術師が多くその弟子や見習いも多い、冒険者ギルドや専属に雇って素材を確保するらしいが、素材屋を利用している人もいるだろう。
(俺も冒険者ギルドで依頼でも出すかな)
しばらく買い取れるだけの資金はあるし、時間の止まる倉庫もある。
委員長の買い物が終わったら行くとしよう。
まだ時間が早いため人があまりいない繁華街を通り、奴隷商館へとやってきた。
ロッドはいないようだが、話は通してあるのか、アムルウ・アルドアの眠る部屋へと通してもらった。
ベットくらいしかない簡素な部屋に入ると、首を吊った巨体があった。
「え!?」
意味が解らず素っ頓狂な声を上げてしまった。
だがその吊られた巨体は僅かに上下し、熱気に満ちていた。
こちらに気付いたのか、吊られた状態を解除し、ドンと床に着地した。
「・・・主殿かな?驚かせてしまったようで済まない。アムルウ・アルドアと申す。宜しくお願いいたす。」
【異世界言語】による翻訳で武士っぽくなっているが、ただの訛りだろう。
「・・・あぁ、よろしくお願いします。」
なんだか敬語になってしまった、デフォルメされてない熊さんは怖い。
先程なにしていたのか聞くと。
「腕が無くなってしまったのでな、顎と首を鍛えておった。」
ニィと口角を上げ牙を剥き出しにするアムルウ。
「そ、そうなんだ。なんか元気そうだけど、とりあえずこれ飲んどいて。」
そう言って中級ポーションを渡す。
「良いのか?結構な値段がするだろう。」
あなたの購入金の3倍はしますね。とはいえず気にしないでと言っておいた。
「ふむ、主どのは貴族には見えぬが、商人かなにかか?」
クリっとした目で見詰めてくる。
「いや、錬金術師かな。」
異世界人とか詳しい話は、後で話せばいいだろう。
「そうだったか、若く見えるがかなりのレベルのようだな。」
まだレベル2だけど・・・。それにもう29歳ですけど。
「一つ聞きたい。何故こんな儂を買った?」
声は若干暗く、警戒の色も含まれている。
何故と問われると困るのだが。
あの白豚貴族にムカついたから、憐れんだから、同情したから。自分なら何とかできると勘違いしたから・・・。
異世界にきて特殊な力を手に入れ、現実というよりゲームの中にいるような気分になっていた。
いやそうしなければ正気を保てそうになかった。
ネトゲをやっている時、ゲームの中でくらいやりたいことをやる、そう考えて行動してた。
PT募集で叫んだり、レイド戦の指揮取ったり、普段の自分じゃ考えられないほど積極的だ。
だから・・・。
「なんとなくだよ。」
しばらくは、『異界の錬金術師』でいようと思う。
お読み頂き有難うございます。
徐々に話も動き出していきます。
まったり進行ですが、よろしくお願いしますm(__)m




