26話
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騒がしい店内で紫煙を曇らせ、ふぅ・・・と一息つけば、少し食べ過ぎたかなと反省する。
「しかしうまかったな、王城で食べたより。」
食べた部位が違うからだろうか?などと疑問に思っていると。
「王城の料理人の腕が悪い訳ではございませんが、こちらのご主人は料理人の天職持ちだったそうです。」
同じの量の食事を軽く済ませた、ミレアが答えた。
「天職って生まれた時から持ってるんだっけ?」
「はい、天から与えられたとし、その道に行くのが普通です。」
生まれた時から将来が決まってる、いやほとんど決まっているか。
やりたいことが決まらなかった自分には、羨ましい話かもしれないな。
本人がどう思うかは知らないけれども。
「その後の本人の努力も必要です、『料理』スキルのレベルが上がると不思議と味がよくなるそうですから。」
「ほほう」
料理長をぜひ一度鑑定してみたいね。
「うぅ・・・ギブです。」
半分ほど食べた所で委員長が敗北宣言を呟いた。
「あまり無理するなよ・・・」
苦しそうな委員長を休ませるため、なにか飲み物でも頼もうとメニューを眺める。
(やっぱコーヒーは無いな。)
エールに果実酒に蜂蜜酒、と酒が多い、白馬・・・どぶろくの隠語か、マッコリみたいなものだっけ。
「とりあえず、委員長は果実水でいいか、ミレアは?」
「・・・では、蜂蜜酒でおねがいします。」
断られるかと思ったが、お酒好きなんだろうか。
店内は慌ただしく、同じ給仕服を着た店員が駆けまわっている。
「甘味はフルーツしかないのか・・・、それとハチミツ使ったのが結構あるけど、養蜂とかやってるの?」
注文した後も、暇だったのでメニューを眺めて思ったことを聞いてみた。
「砂糖は高級品ですね、蜂蜜は王都近くにあるダンジョン産でしょう。」
「王都の近くにもダンジョンがあるんだ。」
西に行くと迷宮都市があると聞いていたが、王都近くにもあると聞いて驚く。
「はい、ですがあまり人気はありません。森林型で旨味がありませんので。」
詳しく聞けば、ダンジョンから取れるのは果物や薬草などだが、それらは別にこの国ではダンジョンにいく必要はなく、またマップも広く宝箱などもいい物がでないらしい。
「死角が多く木の上からの奇襲にも、対応できなければなりません。難易度の割りに旨味がないということです。」
飲み物が届き配られる、ちなみにエールを頼んでみた。
「でもハチミツは取ってくるの?」
「王都で造られる蜂蜜酒は、美味しいことで有名ですから。ハチミツの需要は高いです。」
需要があれば無理してでも、動く者はいるということか。
話はさておき、乾杯をする。ジョッキを打ち付ける文化はないようなので上に掲げた。
厚めの瓶製のジョッキに、ぬるいエール。
苦味とコク、わずかなフルーティーな香りと味は申し分ない。
「冷えたのが飲みたかったな・・・」
ジョッキをあおりながらちらりと、蜂蜜酒を口にし頬を赤らめるミレアを見れば、そんな些細なことはどうでもよくなった。
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