19話
ブックマーク有難うございます!
ミレアが出て行った後、一人ぼんやりと本を眺めていると。
「高橋先生、訓練はどうしたんですか?」
図書館に来た委員長が、ニヤつきながら訊ねてきた。
「いや、知ってるだろ・・・」
「そうでした、眼鏡割れちゃったんでしたね。」
眼鏡の端をクッと持ち上げ、馬鹿にしたような仕草を向けてくる。
別に眼鏡が割れてもできなくもないが、したくない。
濡鳥色のストレートな髪がよく似合う、頭の良さそうな眼鏡女子こと委員長、名前は・・・。
「委員長名前なんだっけ?」
「・・・高橋先生、生徒探しに行くとか言って、逃げるつもりですよね?職務放棄ですか。」
声のトーンが落ち、カワイイ顔には似合わない冷めた眼差しで睨みつけ、毒を吐く。
「いやいや、職務放棄って、行方不明の生徒探すのも立派な職務ですよ。」
「残った生徒の面倒押し付けるつもりだったでしょうけど、そうはいきません。私もいきますから!」
・・・なぜそうなるのか、これではまるで――
「委員長、俺のこと好きだったの?」
「・・・はぁ?何気持ち悪いこといってるんですか?」
これがゴミを見るような目というやつか、調子に乗ってすいませんでした。
一人のおっさんの心がブレイクした後、ミレアがやってきた。
「遅くなりました。確認と必要なものを準備して参りましたので行きましょう。」
そう言って進んでいくミレアの後を、トボトボ付いていくいく。
案内された部屋の中には、洋服や鞄、武器や防具なども置いてあり、机の上には硬貨も置いてあった。
「こちらがロレーヌ大陸で使われている貨幣です。」
「大陸共通なのか?」
「各国専用の通貨も御座いますが、こちらのコルト硬貨ならどこの国でも使えます。」
鉄貨 1枚=10コルト
銅貨 1枚=100コルト
銀貨 1枚=1000コルト
小金貨1枚=10000コルト
金貨 1枚=100000コルト
100コルトが100円くらいの感覚らしいので解りやすい。
ミレアは鞄を持ちながら真剣な表情を向ける。
「【アイテムボックス】は珍しいスキルです、余り人に見せないほうがいいでしょう。」
まぁ歩く宝箱みたいなもんだよな。
殺してでも中を見たい、と思う奴がいるかもしれない。
「服も換えましょう、武器や防具も一応持っていてください。」
街にいくだけなのに武器を携帯しろとは・・・。
「治安悪いのか?」
「王都は巨大都市です。残念ながらそういった輩も少なからず居ります。」
コンビニの前でチャラい若者がいるだけで、入るのをやめる自分には敷居が高いな。
ですが、と青い瞳はこちらを見詰め、落ち着いた声で告げる。
「他の都市や他国とは、比較にならないほど安全です。」
それは安心していいのか、それとも今後を不安に思うべきか、苦笑いを浮かべるしかなかった。
お読み頂き有難うございます。




