18話
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『生徒を探しに行く』とカッコつけた訳だが、この世界の情報が少なすぎる。
丁度いいので、このまま図書館で調べていくことにした。
「すいません、大陸の地図はありませんか?」
先程の司書らしき人物に話掛け探してもらう。
「お見せできるのは、こちらだけですね。」
そう言って渡されたのは、ざっくりした世界地図と大陸地図、それとこの国の簡易地図だった。
世界地図で解ったことは、このローレル大陸を中央と見れば、魔族がいる東大陸の他にも、海で隔てられた南大陸と西大陸があるようだ。
「世界中からなんのあてもなく、二人を探すとか・・・ムリゲ。」
はぁと溜息を吐き、タバコを吸いたくなるが、流石にここではまずいかなと思い諦める。
タバコ自体が無いのだから、気にする必要もないかもしれないのだけど・・・。
後ろで控えていたミレアが、地図を指さし淡々と語る。
「魔術大国エルシアに、超広域探索魔術を得意とする魔導士がいるそうです。」
魔術、その常識の埒外の響きならあるいはと思うが。
「ただエルシアは、ローレル大陸の最西端に位置しています。」
ここリンデン王国は大陸中央の東側だ。しかも中央には魔の沼地や魔獣の生息する山脈があって通れないらしい。
「それに現在、オールダット帝国と戦争中です。」
中央西側に位置するオールダット帝国、自分たちを天人族の末裔だと称し、その他の種族を弾圧しているらしい。
人族は天人族の眷属だとかで、弾圧対象ではないそうだ。
どうしたものかと、椅子にもたれポケットに手をやる、ヒンヤリとした鉄の感触が指に掛かる。
すでに電池切れで動かないのだが、習慣でポケットに入れていたスマホ。
「この世界の連絡手段て、どんなのがあるの?魔術とか。」
少し間が空いたが、ミレアが答える。
「一般的には手紙です、ギルドなどで伝言を伝えれば、他の支部のギルドにも伝わります。」
手を前で交差して、直立の姿勢を崩さない。服がもっとましならよかったのに。
「魔術での連絡となると、使い魔でしょうか。近くであれば【念話】スキルもあります。」
すぐに使えそうなのは、ギルドで伝言を残すことくらいか。
二人が無事なら恐らくギルドにいくだろう、テンプレだしな。
「後は念じるだけで対象と会話できる魔道具が存在しました。」
「それ!そういうの!!」
つい声を上げ、ガタッと立ち上がったが、なんで最初に言わないと思いつつ、周りの視線が痛いのですぐに伏せた。
「ダンジョンから手に入った希少な魔道具で、滅多に出回りません。」
「ダンジョンか・・・」
訓練で眼鏡を割るような人間に、ダンジョン攻略など不可能である。
「ダンジョンで得られる希少な魔道具は、オークションにかけられ、魔道具ギルドや錬金術師ギルドが大金で落札していきます。」
オークションね、レイドボスの分配オクに、神OP品のWチャットオークション、懐かしいなぁ・・・、まだ1日しか経ってないけど。
幸い稼ぐ方法はある、軍資金さえ貰えればなんとかなるだろう。
なので、「街に行きたいんだけど!」そう振り返りながら尋ねると。
「・・・畏まりました。確認してきますので少しお待ちください。」
そう言って、ミレアは頭を少し下げ、どこかへと行ってしまった。
さて許可は下りるだろうか、下りても監視つきだろうな。
(どうしたもんかね?)
とはいえ、異国で一人というのは危険だしまぁいいかと、地図をノートに書き写していく。
お読み頂き有難うございます。




