17話
今日2話目投稿です、ご注意ください。
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異界アイテム:異界のオシャレ眼鏡
ランク:ユニーク
非常に精巧な作りで軽さに優れる。
フレームのデザインが秀逸。
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>異界アイテムの鑑定に成功しました。
>新たなレシピを獲得しました。
オシャレ眼鏡:フレーム類+水晶類+α(類似品可)
材料を用意し、必要な魔力を溜め、錬成を唱えよう。
・・・なんとか委員長を拝み倒し、得た成果がこれである。
なんだ+αって!?オプションでも付けられそうだな!
自身の記憶メモリから最適化されているなら、その可能性もありそうだ。
しかしこの世界の錬金術がどんな物か、少し調べたほうがよさそうである。
思っていた錬金術とは違い、ゲームっぽさがすごい。
眼鏡が割れたことで、訓練は途中退室し、図書館へとやってきた。
「錬金術に関する本を、調べたいんだけど。」
司書っぽい人に尋ねてみた。
「錬金術ですか?一般に公開されているものでしたら可能です。故人や押収物には許可が必要です。」
「一般のでお願いします。」
そういうと呼び鈴を鳴らし、人に取りに行かせた。
「そちらにお掛けになってお待ちください。」
簡素な木の椅子と長机が置かれており、何人かが利用している。
今更ながら、文字を読むことが出来るのだろうか、そう思ったが問題なく読めた。
持ってきてもらった本を読むと、自分の【異界の錬金術】と【錬金術】では全くと言っていいほど異なる。
普通の【錬金術】は例えば、下級生命回復ポーションであれば、まず薬草類を乾燥させ砕き、専用の鍋に蒸留水と混ぜ温める。
十分に混ざり合ったら専用のかき混ぜ棒―魔力を籠めることができ、どの程度まで籠めるか調節可能な代物で、錬金術師の必需品―を使い、魔力を籠めながら只管回す。この際、温度や籠める魔力また薬草類の分量などは、錬金術師によって異なり秘匿される。
ここまでは只のエセ化学だが、【錬金術】のスキルがあると、魔力を籠めながら回す時間が大幅に短縮されるらしい。
「これは・・・バレたら一生監禁か、最悪殺されるな・・・。」
自身のスキルの余りの非常識さに、最悪の未来が浮かぶ。
ふと周りを見れば、ミレアが両手を前で組み、昨日と同じ格好で佇んでいた。
他の利用者からの視線が痛い。特に男性の好色な視線に、何故かイラっとする。
別に自分の物でもないというのに。
「・・・いつからいたの?」
「つい先ほどです。」
それが嘘か真か判らない。我ながら無駄な質問だったなぁと思う。
無駄に王族関係者、いや、人物に対して鑑定をするべきではない。
倫理的な問題ではなく、もし鑑定したことに気付かれれば、所持していないスキルを持っていることがバレてしまう。
それでもこの女性に鑑定を懸けたい衝動に駆られる。
相手のことを知りたいと思う心は恋愛か・・・ただの恐怖心か。
「探し物は見つかりましたか?」
意外と背は低い、155cmくらいだろうか、女性としては普通か?
「コーヒーは錬金術じゃ作れなそうだね。」
瞳の色は違うけど、彼女の眼差しは委員長に似ている。
お読み頂き有難うございます。
なかなか話が進まないので2話投稿(-_-)