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レイ・リコード 本編未使用(いーつのことだか、思い出してごーらん♪)  作者: 久遠 悠
第二楽章(うれしかったこーとー、おもしろかったこーとー♪)
6/9

その3

ルーシー。食事を終ったあと、エルスの法術の後を見て。

これも改定前には入っていました。

 食事を済ませた後、再び旧市街の大通りまで戻ってきたルーシーは“それ”を見て、僅かに言葉を失った。

 黒々と大口を開けた穴が通りのど真ん中に狙い違わず空いている。その穴を覗き込んでは去っていくのは通りがかった人々だ。ルーシーも通行人に倣って穴を見下ろした。同時に彼女はそういえば、と思い出した。先ほどの食事の最中に不自然な縦揺れと巨人の雄叫びのような轟音が聞こえたような気がしたのだ。もしかしなくても、これはその現場跡なのだろうか。

 隕石が落下して陥没したようなクレーターをまじまじと見ながら、ルーシーは驚きを隠せないでいた。

 取っ組み合いを通り越した法術を使ってのやや過激な諍いは旧市街では日常茶飯事だ。その争いの途中にこのような穴ができたり建物が破壊されたりするのは今更驚くようなことではない。

 ルーシーが驚いた点は、この法術を使った人物が簡易とはいえ補強が済ませてあるモンレーヴ旧市街の通りをえぐるように破壊することのできる凄腕の法術士だということだった。ルーシーも法術士である以上、その法術の跡からその法術がどれほどの威力なのかぐらい一目見てわかる。

 ルーシーが穴の中心をよくよく見れば、穴の底でだらしなく気絶しているのは、先ほどルーシーが酒場で絡まれた男たちだった。

 いい気味だとルーシーは思った。

(さて、と、エルスとつれの女の子を探さなきゃ)

 そう言ってその場を離れた彼女がその事実に気付くはずもなかった。

 まさか、その穴を作った張本人こそ、彼女の目的の人物であることなど。

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