真剣勝負
誰もいない河川敷に不思議なおじさんは(あとで聞いたら十字のお父さんの弟らしい)おじさんは、狩衣をはためかせながら、ピーヒャラとしのぶえを吹きはじめた。すると、雲行きが怪しくなり辺りが薄暗くなってきた。
ガラガラと稲妻のなる音がひびいた。
この時、おじさんが首からさげている十字架のロザリオがひかっている。
いったいなんなの?私は急に変わった天候に狼狽えて。
思わず十字のうで掴んだ。
十字が嬉しそうに私に微笑んだ。
くやしいけど今は十字が頼りになる。その時落雷が川の方に落ちてきた、そこに誰かいる。
いったいなんなの? と思った途端そのシルエットの正体が姿を現した。
ぼさぼさの髪に古ぼけた着物その右手には私のお父さんであるねずみを掴んでいた老婆がいた。あの神様だ。
おじさんはニコリと私と十字の方に顔を向けるとこう言った。
「さぁ、君と戦った神様を呼び出したよ」
「いーひっひっ。1度戦った相手とは戦わないよ」老婆を意地悪な顔をうかべる。くやしい。
「このこは戦わないよ戦うのは私の姪の十字だよ。それも真剣バトルだよ」
その言葉を聞いて神様はピクッと右眉をあげた。
「真剣バトル?その姪がもしかすると死ぬかも知れないのだよ」
えっ命懸けなの?
「承知のうえよ真剣バトルだからあなたも負けたら死ぬかもね。そして、みこたんの呪いはとけ、お父さんも助かる」
十字は老婆
睨み付けて言った。
「その顔は本気だね。分かった。神の強さおもいしるがいい!」