神との戦い
3
「さぁ勝負だよ。たたかうのは……」
ここでお婆さんの神がカードを取り出した。
「ポーカーだよ」
お婆さん神、顔に似合わずお洒落な勝負を挑んできたよ。
そのカードをシャッシャッと切り始めた。
「おっと、その前に賭ける物を決めたいんだけどね。おぉそのねずみがいい」
「えっ?これはお父さんよ。だめに決まってるじゃない」
私はお父さんであるねずみを手で包むように隠した。
「そのかわりあんたが勝ったら呪いを解いてやるよ」
するとお父さんがしゃべった!
お父さんしゃべれるの?
「この呪いを解くにはこの条件をのむしかないでちゅ」
でちゅって赤ちゃんみたいで気持ち悪いよ。
「いいから勝負にのるでちゅ」
私は少しためらっていたが、お父さんの真剣な表情を見て覚悟を決めた。
私は頷いた。
「いいわ、その勝負のった!」
お婆さん神はニヤリと気味の悪い笑みを浮かべてカードを私の手元に渡した。
めくってみるとスリーカードだった。
お婆さん神はふんふんと鼻歌を口ずさんでいる。
これでやってみるしかないのかしら?
数は8が三枚クイーンが一枚だった。
「さぁどうするかね?」
お婆さん神がにひひと所々歯のない笑顔をうかべている。
そうとう自信があるのか?それともわざと?
「いいわ、いくわよ」
私はカードをみせた。
お婆さん神もカードを見せた。
フルハウスだ!!
「まっ負けた!」
それじゃぁお父さんは?
「いーひひひ。では、そのねずみを貰っていくよ」
お父さん!
「ちゅーー!」
お父さんは私の肩からお婆さん神の元に引っ張られた。
「こいつはうまそうだ」
そういうとお婆さん神はお父さんを握りしめて飛びさって行った。
私はガックリしていると肩に手がおかれた。
十字だ。
「お父さんを助けに行くよ」
私は十字に涙を見せないように白装束の袖で涙を拭いた。
そして、頷いた。
お父さん、かならず助けるからね。