十字の正体
2
私はがくぜんとして夜の街を歩いていると後ろから声が聞こえてきたしわしわのしゃがれた声だった。
「神様に呪われた少女よ、お前が神様と互角に戦うにはある家の少女の助けを借りなければならない」
私は、後ろを振り向くと腰の曲がった老婆が立っていた。
薄茶色の着物を着て、杖を両手でついている。
不気味にニヤリと笑っていた。
「お婆さん何者?それにその少女は何処にいるの?」
老婆がなぜに私が神様に呪われているのを知っているのか、疑問に思った。
老婆は何も答えずに笑いながらいつの間にか消えてしまった。
「みこたーん」
あっこういう時に十字がやってきた。
「なによ」
私はイライラしながらぶっきらぼうに言った。
「みこはたん、大変だったね。神様に呪われたんでしょ?」
私は目を見開いて驚いた。
「どうして、それを? 十字が?」
十字が急に真面目な顔になった。
こんな真面目な顔をした十字を見たのは初めてと言っても過言ではない。
「実はね私もそうなの。私はエクソシストとして使い魔を使いすぎて神様に呪われたの」
そんな、あんなのうてんきと思っていた、十字が……。
「神様と対決するのね?それには賭け事が神様は勝負にのってきやすいわ」
「対決したことあるの?」
「えぇ、とても過酷な対決だったわ、それでも今でも戦っているわ。神様はたくさんいて何柱も戦いを挑んでくるの」
そうだったの……。
「その通りだよ。ふぉふぉふぉ」
あっ!さっきのお婆さん。
「なにを隠そうわたしはその神のひとりだよ。さぁ、みこ、勝負だよ」