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D《ドラゴニク》  作者: しもさん
【オープニング】
1/4

序ー始まりのあの日。

学園バトルものでロボット、ってよりはアーマード的な感じのバトルものを書いて行きたいと思います。ちょくちょく書いてはいるのですが、どうしても毎回中途半端な形で終わってしまうので、出来るだけ続くように毎週日曜日は小説の日にして毎週更新できるように頑張ります(>□<;)






「ひかりっ!」

「了解ですっ!」


 一人の少年 DドラゴニクM・マニピュレーターD・ドライバーの声と共に、ひかりと呼ばれた遠距離型 Dドラゴニクに乗る少女が超ロングバレットのスナイパーライフルを一機の天使目掛けて放つ。火薬を使って鉄の塊を飛ばす従来のライフルとは異なり、Dドラゴニクを構成している魔法の金属《レス》の内部に蓄えられた精霊力エレメントを光エネルギーに変えて放つ光線銃ビームライフルは、文字通り光の速さで天使へ飛んで行く。

 つまり、撃つ予備動作を確認できず撃った後に反応しては確実によけられない。まして、完全なる死角から放たれた光線銃ビームライフルを避けるなど不可能に等しい。だが、天使はそれをひらりと躱し少女に反撃しようとものすごい勢いで迫ってきた。


「させるかっ!」


 すかさず先ほどの少年がフォローに入ろうとするが、機体のスペックの差なのか、又はただ単にドライバーの技術力不足なのか、天使の速度に追いつけない。


「くっ………速いっ!」


 彼の機体には遠距離型の装備は積まれていない。後方からの射撃も不可能だ。そうこうしている間に間を詰められた彼女に、天使の刃が迫り来る。


「はぁっ!!」


 と、後コンマ何秒というギリギリのところで彼とは別の機体が天使の初撃を防いだ。


「クロエっ!!」

「わかっていますわっ!!」


 天使を防いでいる機体とは別に、さらに別の機体が後方からのライフルとミサイルを天使に向けて撃つ。すかさず緊急回避する天使だが、無数の銃弾とミサイルを全て避けきることはできず、いくつか爆音と共に着弾した。


「どうですの?」


 どこか自慢気に、又は誇らし気に語るクロエと呼ばれた少女が言葉をもらす。あの銃弾と爆発からして、少なからずダメージは与えられた。少なくとも、普通のDドラゴニクだったらひとたまりもない。

 だが、今相手にしているのは普通のDドラゴニクではない。天使だ。


「うそ………デスわよね?」


 徐々に煙が晴れてきて見えたのは、先ほどの猛攻などまるでなかったかのように悠然とと浮かぶ天使の姿だった。そのボディーには傷一つない。

 と、その姿に唖然としていたクロエは天使がこちらにライフルを向けていることに一瞬だが気づかなかった。


「しま………っ!?」


 だが、この一瞬が命取りになる。先ほどのひかりが放ったスナイパーライフル同様、この天使が装備しているライフルも魔法の金属《レス》内部に蓄えられている精霊力エレメントを消費し光エネルギーに替えて放たれる光線銃ビームライフルなのだ。構えを見てから回避するのは不可能、よってクロエは防御態勢をとならければいけないのだが、コンマ二秒間に合わない。

 そして、無情にも放たれた光線はクロエの機体に向かって一直線へ飛んで行く。だが、そのままぶつかるはずだった光線はまた新たに登場した機体によって阻まれた。


「油断はダメよ、クロエさん」

「も、申し訳ありませんわ香織かおり先輩っ」


 香織と呼ばれる少女は、本当に戦闘に参加しているのかと疑ってしまうほどおっとりした口調でクロエに話しかける。

 ほかの人達とは違い、香織の機体は一回りほど機体が大きい。それに、先ほどの光線を無傷で受け止められるところを見るに、どうやら防御型重視のDドラゴニクと伺える。


「俺を忘れるなよーっ!!」


 先ほど行われた攻防の間に間を縮めた少年が二本の白黒の双剣を天使に向けて振り回す。少年の剣術の腕前は決して下手ではない。むしろ、この歳にしたら天才的とも呼ばれるほどの腕前であろうが、天使はその猛攻をまるで赤子の相手をするかの如くひらひらと躱し、一瞬できた隙を逃さずに少年に一撃を加える。


「ぐはっ!」

優斗ゆうとっ!!」


 ひかりに向けられた刃を防いだ少女がすかさず優斗と呼ばれる少年の元へと駆け寄る。


「………大丈夫だ、真緒まお。それ程ダメージは受けてない」

「そうかっ」


 ダメージもそうだが、何より本人に全く外傷がなかった事に何度した真緒と呼ばれる少女は、大きな溜息をもらす。

 だが、それもつかの間。すぐに視線を天使へと向ける。


「ちっ、にしてもなんて化け物なんだ」

「まるで歯が立たんな」

「あの攻撃でも擦り傷一つもナイとは、なんて防御力なんデスの?」

「私の光線銃ビームライフルも避けられてしまいましたし」

「攻撃力もバカにならないのよねぇ。さすがにアレは何度も受けられるようなものじゃないわぁ」


 それぞれが思い思いに天使への感想をこぼす。ここに集まっているのは、学生とは言えその中でもTOP集団の集まりだ。一人一人のスペックは決して低くない。だが、その五人が束になっても勝てない、否勝機が見えてこない………天使はそれ程の実力という事になる。


『………』


 天使から一瞬ノイズのような声が聞こえたような気がしたが、それに構っている暇などあたえまいと再び五人へ攻撃をしかけてくる。




 【対DMD自立型飛行殲滅機、《Type:Γ Code:Angel》】ーーーそれが、この殺戮天使の名前だ。






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